検索窓
今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:41,229 hit

記憶喪失なんてモンは治さなくても都合よく教えればいいのさ 五 ページ23

煙の中から土方と沖田が刀を抜いて出てくる。

「心配しなくてもいいでさァ。桂のそばにいる奴なんざ攘夷ぐらいでェ……って」
「オイオイ、どーゆー状況だコレは」

 二人は口の端をひきつらせた。
 両者とも額には青筋が浮かんで、刀を握る手に力が入る。

「なんでテメーがA抱いてんだよ」
『!』

 土方が怒りの気を抑えられていない声で言うが、その呼び名に銀時たちや沖田が反応する。

「桂の状況にも納得いかねーが、土方コノヤローがAさん呼び捨てにしてるのも気に食わねーですねィ」
「んなこまけー事いま気にする事か!? つーかテメーの方が呼び方失礼だろーが!」

 沖田の煽り文句に土方がキレながらもツッコんでいた。

「おいヅラ、A離してやれ。こういうのには巻き込むもんじゃねーよ」
「ヅラじゃない桂だ……致し方ないな」

 桂がため息をつきAを銀時に渡した。
 瞬間、沖田が彼に刀で斬り掛かった。

「!」

 桂はすぐさま刀を抜いて受け止める。

「オイ、真選組は犬にリードもつけていないのか。それとも狂犬病でも流行っているのか」
「どっちもちげーな。病ってんなら、俺は恋の病にかかってるんでね」
「……」

 笑っている沖田と、無言でそれを見る桂。
 二人とも同じ女性を想っていることを桂はすぐに察した。

「だからアンタがあの人を抱いてんのが、気に食わねー」

 沖田が刀に力を入れて押し切ろうとする。
 しかし桂は笑って横に刀を流し、後ろに下がって距離を取る。

「やんちゃなガキは嫌われるぞ。野蛮な犬もな……逃げるぞ、エリザベス」

 桂はエリザベスと走ってその場をさっていった。

「逃すかァ!」
「待て」

 追おうとした沖田の腕を土方が掴んだ。

「なんでィ、土方さん。逃したら職務怠慢ですぜ。俺ァ正直に上に報告しときますけど」
「なんでそういう時だけは報連相が真面目なんだよ。はあ……アイツの様子がちょっとおかしいんだよ」

 土方はため息をついた後、Aへ目を向けた。

「? あ、Aさん。すいやせん突っ込んじゃって。怪我はありやせんかィ?」

 沖田が先ほど車で突っ込んだのに対して謝るが、名前を呼ばれて彼女は困ったように眉を下げる。

「あの、どなたでしょうか?」
『え』

 土方と沖田は二人とも同時に声を出し白目を剥いた。

記憶喪失なんてモンは治さなくても都合よく教えればいいのさ 六→←記憶喪失なんてモンは治さなくても都合よく教えればいいのさ 四



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (51 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
114人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。