【銀魂】シスコンな兄の尻拭い 5

好意の自覚　白銀の心　二　終 ページ18

なんて幸せな目覚めだろうか。

　フッと笑って、握られていない方の手で柔らかい銀髪を撫でる。

「護ってくれて、ありがとう」

――ただいま

　起こさないように静かに近づいて、

　優しく髪にキスをした。

　寝てる銀ちゃんだからできること。

　昔、松下村塾にいた時はほっぺにしたりもしたけど、今はできないかな。

「ふふっ、寝顔かわいい」

　小さく寝息が聞こえる彼の姿に何だか胸の中があったかくなる。

　普段のだらしない彼と、
　ときおり見せるかっこいい彼、
　こういう時に見る可愛い彼、

　じわっと胸に広がる痛みを感じる。

　あ、あれ？

　わたし

「……」

　私、銀ちゃんにトキメいてるの？

　自覚した瞬間に顔が赤くなって

　握られる手に目がいって

　思考がそっちに持っていかれて

「ぅ、ぅぁ〜」

　羞恥心で小さく悶絶した。

――

(い、いや待って！？ 起きられないよこれ！？)

　銀時は頭を撫でられた時には起きていた。

　起きるタイミングを逃して狸寝入りしていたのだが、
　キスされたのを感じて顔を赤くしていた。

(気まじィよ！！誰か来て起こしてくれェェ！！)

　恥ずかしさで唸り声を上げるAのそばで、
　冷や汗を流す銀時は心の中で叫び声を上げていた。

記憶喪失なんてモンは治さなくても都合よく教えればいいのさ　一→←好意の自覚　白銀の心　一

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