困ったときは笑っとけ笑っとけ 五 ページ7
「というか何ですかアレ」
「アレは砂蟲じゃな。この星の生命体で頂点に立つ生物じゃ」
砂蟲は普段は静かだが、銀時たち地球人が騒がしくしたせいで目を覚ましたらしい。
陸奥は上司の坂本が大変なことになっているのに落ち着いていた。
「アッハッハッ! わしがこんなとこで死ぬかァ! 皆ァ! 逃げェい!」
坂本は豪快に笑い拳銃を出して、乗客達を捕らえる砂蟲の触手を撃っていった。
「たっ、助かったァ!」
「坂本君! ッ!」
Aも助けてもらって砂漠に着地し、今度は自分が坂本を助けようとする。
しかし地鳴りがして砂蟲の巨体が地上に出てきた。
砂蟲は自身の体を船に絡ませて船ごと砂に引きずり込もうとする。
船が傾いて乗っている者がバランスを崩す中、捕まっている坂本は声を張った。
「大砲じゃああ! わしは構わんで大砲ばお見舞いしてやれェェ!」
「でも坂本さん!」
「大砲撃てェェ!!」
「ちょ! アンタ坂本さん殺すつもりですか!?」
陸奥が躊躇いなく射撃の指示を出して新八は驚く。
「奴一人のために乗客全てを危険に晒せん。今やるべきことは乗客を救うことじゃ。大義を失うなとは奴の口癖……撃てェェ!!」
陸奥の一声で大砲が吹き、爆音が鳴り響く。
命中するが、砂蟲はそのまま坂本ごと地中に潜ろうとしていた。
「ヤバい地中に引きずり込まれてる!!」
「砂蟲が土の中に逃げるぞ!」
「イカン坂本さんが!!」
「潜り込む前にしとめるんじゃァ! 坂本さんば救えェ!」
快援隊の仲間たちが坂本を助けようと砂蟲に大砲を向ける。
しかし、その砲身に銀時が刀を刺し、Aが砲台の根元を手で軽く破壊していた。
「こんなモンぶち込むからビビって潜っちまうんだろーが。寝てたのを起こしたのは俺たちなんだ。大義通す前にマナーを通せマナーを」
「銀さん!」
銀時は砲台に乗ったまま、砂蟲が潜った下を見る。
「辰馬ァ、昔からテメーは口だけだ。俺を見ろ俺を……
銀時は砲台を踏み込み船の外に飛び出した。
全員驚いていたが、Aは砲台の所から船の端まで走る。
端に飛び乗り、彼に続いて船の外に飛び降りた。
『!!』
「Aさん!?」
新八はさすがに彼女も飛び降りると思っていず驚く。
「……」
彼女の行動に陸奥は目を見開いていた。
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時