屋台で買って食べ歩きするなら人混みの中は気をつけろ 七 終 ページ19
「やっぱり祭りは派手じゃねーと面白くねェな」
「!」
打ち上がる花火を見ていた銀時の背後で高杉が笑っていた。
銀時はすぐさま洞爺湖に手を伸ばすが、彼より早く高杉が刀身を見せる。
ピタッと二人の動きが止まった。
「動くなよ。ククク、白夜叉ともあろうものが後ろを取られるたとはなァ。Aはこうはならなかったぞ」
「! てめー、アイツに会ったのか。何もしてねーだろうな」
銀時はAの名前が出た瞬間、顔が険しくなる。
「そう怖い顔すんなよ。俺ァ、大事な女にそうそう手は出さねーよ」
「……どうだか」
高杉の言葉をまったく信頼せず、銀時は冷めた目で言う。
「まあ大人しく見とけよ。すこぶる楽しい見せ物が始まるぜ」
火の花が夜の空に打ち上がる。
「息子を幕府に殺された親父が、カラクリと一緒に敵討ちだ」
「……三郎いくぞ」
『御意』
源外の一言で、三郎の砲口が将軍のいるヤグラの方に向く。
それを見た祭り客たち人々がざわついて。
「狙うは将軍の首よ」
源外は扇子を前に、ヤグラを指し示した。
そこにAがいるとは知らずに。
今の世の中は血の繋がりがなくたって家族を名乗れるものらしい 一→←屋台で買って食べ歩きするなら人混みの中は気をつけろ 六
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時