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屋台で買って食べ歩きするなら人混みの中は気をつけろ ニ ページ14

「どうしたA、久しぶりに会ったって言うのにそんな怖い顔するなよ」

 Aは殺気のある獣のような目を彼に向けていた。
 久しぶりに再開した幼馴染へ向けるようなものではないのは確かである。

「……高杉君のやってること聞いたから。ちょっと看過できないと思ってるだけだよ」
「ククク、残念だが俺はオメーと戦う気はねーよ。お前を敵に回すとすぐに首が飛びそうだからな」

 笑って言う高杉は刀から手を離した。
 少し間をおいて、攻撃意思がないと判断したAは小刀を下ろす。

「それで……何か用? 私いま、ちょっと会いたい人がいるんだけど」
「クク、そりゃあ相手の輩が羨ましい限りだな。俺ァただお前の顔が見たくて来ただけだ」

 高杉は数歩近づいてAの頬を撫でた。

「ん、ちょっ……」

 彼女は戸惑いながら、少し抵抗するように高杉の手を掴む。

「お前、相変わらず綺麗な顔してんなァ」
「! ち、ちちち、近いってちょっとっ」

 高杉に顔を近づけられ、Aは顔を赤くして慌てて彼の胸を押して離れた。

「なんだ、まだ男慣れしてねーのか」
「す、するわけないじゃんかっ。恋人もいないのにっ」

 意外そうにしている高杉へAが返せば、彼は驚いていた。

「ククク……そうか、まだ誰の手もつけられてないんだな」
「うーっ、煽ってるのそれーっ?」

 Aからしてみれば煽られているようにしか思えないみたいだが、高杉にその意思はない。
 彼はただ、想う相手が純潔のままで嬉しくて笑っているだけである。

「なあA……桂から聞いたが、何かお前の種について分かったみてェだな」
「あ、うん。でもその様子だと、桂君から聞いてないの?」

 Aに問われて、高杉は少し不機嫌そうにしながら肯定した。

「そっか……」

――桂君は話すべき相手ではないと判断したのかな。

 Aはジッと高杉を見上げる。

 自分の星人のこと、高杉の現状の行動、それらを鑑みて、情報を彼に手渡すべきかを考える。

「高杉君、ごめんね。今はまだ話せないかな」

 Aの言葉に高杉は眉を寄せた。

「ヅラのやつと言い、気に食わねェな」
「ふふっ……情報が欲しいなら、自分から動いて探すしかないね。高杉君なりのやり方で」
「俺なりのやり方ねェ、なら」

 二人同時に獲物を構え

「力づくでやるしかねえなァ?」

 金属音がして高杉の刀とAの小刀がぶつかる。
 二人は体を近づけギリギリと押し合っていた。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年8月29日 18時

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