【銀魂】シスコンな兄の尻拭い11 【吉原炎上篇】

綺麗な薔薇には棘がある　四 ページ6

「星影は吉原(ここ)で唯一、縦横無尽に駆ける星。ここで唯一、オイラに手を差し伸べてくれる花魁だ。けどあの人は」
『！』

　神楽と新八は何かを察知して晴太を引っ張り前に跳んだ

　瞬間、勢いよく大量のクナイが降ってきて三人がいた場所に突き刺さる

「うごォォォ！！」
「なっ、何……！」

　三人は慌てて上を見上げる

「あれは……」

　見上げた先、屋根の上には先ほどのキセルの女がいた

「あれは、あの傷は……」

　晴太はその女を見て恐怖で震えだす
　その女を筆頭に、薙刀や弓、武器を持った女たちが屋根に並んだ。

「あれは……吉原と吉原の掟を犯 すものを処断する自警団『百華(ひゃっか)』。それを率いる吉原最強の番人、死神太夫と恐れられる……」

「月詠でありんす。以後よしなに」

　月詠と百華は屋根から飛び降り、月詠はキセルを咥えてクナイを三人に投げつけた。

「うわあああ！！」

　新八は叫んでしゃがみ込み、神楽が番傘でクナイの雨を防ぐ。

「なんで僕らが自警団に！」
「し、知らねーよう！」
「言ってる場合か！晴太を早く連れていくネ！」

　神楽が番傘の銃を連射し月詠を迎撃する。
　月詠は弾丸に頬を切られるが、神楽の番傘の銃口にクナイを投げつけて砲口を塞いだ。

　小刀を神楽に振り下ろすが、神楽は番傘で受け止めてガゴン！と大きな音が鳴る。

　月詠が片手でクナイを投げ、神楽は慌てて避ける。

「ぐっ」

　神楽が体勢を崩した隙に、月詠は壁を伝って新八と晴太の元に駆けた。

「新ぱっ」

　二人を助けようとした神楽の前に他の百華の女たちが立ち塞がる。

「わっちの狙いは、ぬしじゃあああ！！」
『！！』

　月詠が晴太に向かって大量のクナイを投げた。
　新八が庇おうとするが間に合わない

　しかし誰かが割って入ってきてガガガとクナイを全て木刀で弾いた

　軽い音を立ててクナイが地面に落ちていく

「よォ……待たせちまったな」
「ぎっ……」

　割って入ってきた男、銀時に新八は安堵するが

　その額にクナイが刺さっていて血が流れていて新八は渋い表情を浮かべた

「……あ、あの……すいません銀さん。さ、刺さってます」
「え？何が？」

　銀時はズボッと額のクナイを抜いて後ろに隠した

「いや今完全に刺さってましたよね。大丈夫ですかそれ」
「え？何言ってんの何も刺さってねーよホラ」
「いやあの血だらけなんですけど」

　新八と銀時が言い合いを始めて、神楽と百華たちは呆れてそれを見ていた

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