星の数ほどいるバケモノの王 九 ページ40
「神楽ちゃん、言ったでしょ。私は神楽ちゃんを護るって。だから……私がやることをやっただけ。だから、そんな顔しないで」
Aは微笑んで指で神楽の涙を拭った
阿伏兎は神楽が正気に戻って驚きながらも
「つくづく甘ったれた連中だ。言ったはずだ、戦場じゃ殺すのを迷った奴から、死んでいくんだってよ」
『!!』
Aたちのいた足場の屋根が崩れ落ちて四人は高層から落下してしまう
「うわァァァ!!」
「……さて、ここでまた選択肢だ。鳳仙を殺さずに鳳仙に殺されるか、鳳仙を殺そうとして鳳仙に殺されるか」
「さて、どっちを選ぶ」
阿伏兎は自分は落下したまま、神楽を押し上げ新八を蹴り上げて屋根の上まで飛ばした
「え?どっちも結局殺されるって?固いこと言うなよ。たかがクイズだろ。お前さんたちの甘い選択でどこまで行けるか、やってみるがいい」
「おまっ……」
新八は驚いて屋根の下から阿伏兎を見る。
阿伏兎は自分より下に落ちているAの腕を掴んだ。
「ちょっと、貴方はどうす」
「俺のこたァ気にしなくていいさ。それより、アンタはこんな所で落下して潰れていいツラじゃねー……ま、
阿伏兎はそう言って、自分が怪我するのもいとわず壁の突起した縁に足をかけ、自重と勢いをつけてAを上に投げ飛ばした
「ぐっ」
Aは屋根の上に落ちて鈍い声を上げた
しかしすぐに立ち上がって落下する阿伏兎を見やる
「言っただろ。俺は共食いは嫌いなんだ」
(血と戦い生きる
ーー血を従える
(果たして誰が生き残るのか。血を愛でる
長い落下道を重力に任せる阿伏兎だったが
「!!」
視界に人が飛び降りてくる様が見えて目を見開いた
黒い髪を風に大きく揺らされ、赤い目は逆風に少し目蓋を閉ざしかけながら阿伏兎に手を伸ばすその女
「あ、アンタなんで……せっかく人が助けてやった命を捨てる気か、このすっとこどっこい!」
「言ってませんでしたが!」
Aは落下の逆風に負けじと声を張る
「私、見捨てる行為は嫌いなんです!!」
阿伏兎の腕を掴み自分の方に引き寄せた。
「ちょ、おいっ!」
阿伏兎は顔に胸が当たって慌てて声を上げた。
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!いつもご愛読いただき嬉しいです!この先も楽しんで読んでいただけるよう頑張ります(ง •̀ω•́)ง✧ (2023年1月29日 22時) (レス) @page14 id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます!今回多めな戦闘シーンも、夢主ちゃんが毎回どのように強さを見せつけてくれるのか、周りがどう反応するのか、楽しみにしております。まだまだ寒いので体調に気をつけて頑張って下さい! (2023年1月29日 18時) (レス) @page14 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月28日 13時