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星の数ほどいるバケモノの王 七 ページ38

「いやでも、星人は……」
「ああ。絶滅したが生き残りがいるんじゃないかと最近囁かれていたところだ」
「その生き残りって、だって……」

 新八は頭の中でAを思い浮かべて困惑する。

 星影は神楽の拳を受け止め、クナイを振るうが避けられる。

「!」

 間髪入れずに神楽が足払いしてきて星影はバランスを崩し、その隙に神楽の拳が星影の顔を捉えた。

 ドゴッと重い音がして星影が後ろに吹っ飛び壁に打ち当たる。
 星影は目から血を流し、眉を寄せた。

「ゲホッ、ゲホッ……ぁ、イッタ……コンタクトが。バルス……バルスされたよ」

 どうやら目につけていたカラーコンタクトが刺さったらしい。
 痛そうに呟き、星影は両目のカラコンをとった。
 壁に投げつけられた衝撃でカツラもズレてしまい、邪魔そうにカツラを取った。

 血に濡れて閉じられた目蓋が、赤い瞳を外に開放する。

「な、んで……」

 カツラの下の黒い短髪を揺らし、闇夜に立つその女に新八は目を見開いた。

「Aさん……!?」
「はは、バレちゃったや……」

 Aは目元の血を拭って新八に微笑みかける。

「こんばんは。新八君、神楽ちゃん。そして……夜兎おにーさん」
「その目……」

 阿伏兎は赤い眼に魅入られた。

「お前さんのその目……陽炎と同じ目」
「!どうして父の名を……」

 阿伏兎が小さく呟いた名前に、Aは驚いて固まってしまった。
 阿伏兎は赤い瞳に、自分の中の過去の記憶を引っ張り出された。

ーー

 バケモノ軍団の星人の中で、かつて誰よりも強く星人の治安を統制する闘士がいた。

 二十七年前、俺が五歳の頃、俺はそいつとハチ合った。

 黒い髪に、赤い目の男。
 若くして淡麗な容姿を持つ美男。

 そこまで屈強な体を持つわけでもなく、だがしかし、そいつの放つ拳は星をも砕く。

 星の数ほどいる星人(バケモノ)の王ーー死星王(しせいおう)、陽炎。

 奴は、温厚さ故に最強の盾となり自らの大事なものを護る。

 驚異的なまでの強さで最強の矛として他の生命体を消し去る。

 矛と盾どちらも持つ不死の要塞、同族(バケモノ)でも勝てぬ真の(バケモノ)

 特に夜兎(おれたち)に触発されて同じように血に飢える獣となった星人たちを討伐して回った異常剣士。

星の数ほどいるバケモノの王 八→←星の数ほどいるバケモノの王 六



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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!いつもご愛読いただき嬉しいです!この先も楽しんで読んでいただけるよう頑張ります(ง •̀ω•́)ง✧ (2023年1月29日 22時) (レス) @page14 id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます!今回多めな戦闘シーンも、夢主ちゃんが毎回どのように強さを見せつけてくれるのか、周りがどう反応するのか、楽しみにしております。まだまだ寒いので体調に気をつけて頑張って下さい! (2023年1月29日 18時) (レス) @page14 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月28日 13時

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