星の数ほどいるバケモノの王 四 ページ35
神楽は地を強く踏み込んで阿伏兎に蹴りを入れた。
彼はすぐに避け、その蹴りは阿伏兎が元いた場所の壁を破壊する。
「待っていたぞ、お前が来るのを。丁度腕一本じゃハンデが足りねーと思っていた所だ!」
阿伏兎は新八が持っていた薙刀で神楽を刺突しようとする。
がしかし、神楽はそれを手で受け止めた。
「!」
彼女の手に刃が貫通し血が大量に噴き出す。
しかしそんなことも気にせず神楽は阿伏兎に蹴りを入れた。
阿伏兎は薙刀から手を離し神楽の蹴りを下に避ける。
そのまま神楽を足払いして床に倒した。
「理性どころか知性もぶっ飛んだか。両手を失くせば攻めも守りもままならねェぜ!ケモノはケモノでも仔兎か!!」
ドゴッと阿伏兎は神楽の腹に強烈な拳を叩き込んだ。
床が減り込んで畳が破壊される。
しかし阿伏兎の下からは、笑い声が聞こえた。
神楽が血を流しながら笑っていた。
「……オイオイ冗談だろ。今のは結構マジだったんだぜ。オジさん傷ついちまうわ」
神楽が体を起こして阿伏兎に頭突きをして後ろに飛ばす。
新八は二人の戦闘を見て驚き冷や汗をかいていた。
(歴戦の夜兎を神楽ちゃんが圧倒している。けど、アレが……あれが、僕らの知ってる神楽ちゃんなのか?)
「ッ」
新八の脳裏に暴走したAが想起して神楽と重なる。
彼は顔を手で押さえて汗を流した。
神楽の強力な蹴りで阿伏兎が部屋の外に吹っ飛ばされる。
そこに薙刀が
外に飛び出してきた神楽はそのまま薙刀の柄を押し込んで屋根に阿伏兎を叩きつけた。
「ぐふぉ!!」
鈍い破壊音と阿伏兎の悲痛な声が重なった。
「……ククク、まいったねこりゃ。俺が解いた鎖に繋がれていたのはケモノなんかじゃなかったらしい。バケモノだぜ、こりゃ」
神楽は笑って阿伏兎の胸元を踏みつけた。
「戦場では迷った者から死ぬと説教垂れながら、どうやら迷っていたのは俺の方だったようだ」
「お前さんを見てると、兄貴のツラがチラついて仕方ねェ」
神楽が阿伏兎に刺さる薙刀へ手をかける。
「殺すがいい。その血の命ずるままに。どれだけ血に抗ったところでお前は結局兄貴と何も変わらねェ」
「血に従って殺せ。血を誇って殺せ。俺たちの居場所は戦場しかねーんだ。それが
勢いよく神楽の足が振り上げられ、大きな破壊音が鳴り響いた
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!いつもご愛読いただき嬉しいです!この先も楽しんで読んでいただけるよう頑張ります(ง •̀ω•́)ง✧ (2023年1月29日 22時) (レス) @page14 id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます!今回多めな戦闘シーンも、夢主ちゃんが毎回どのように強さを見せつけてくれるのか、周りがどう反応するのか、楽しみにしております。まだまだ寒いので体調に気をつけて頑張って下さい! (2023年1月29日 18時) (レス) @page14 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月28日 13時