吉原第二席に鎮座する戦乙女 四 ページ15
「夜王鳳仙の強さは、最強の掃除屋・星海坊主と並び称されるほどのものじゃ」
「……あのハゲと」
銀時は真面目な顔をして、新八の名を呼んだ。
「どうやら俺たちゃ、とんでもねー化け物に喧嘩売っちまったみたいだな」
「……銀、ちゃん」
神楽が目を覚まし、冷や汗をかきながら声を小さく出した。
「!神楽ちゃん!」
「本当にヤバいのはそいつじゃないネ……息子がいるアル。その星海坊主の……私の……バカ兄貴が」
その神楽の兄が、先ほどの包帯男の夜兎だった。
「……確かにアレはヤバそうだったね」
遊女が思い返して呟けば神楽が彼女に目をやった。
「アレは、普通の人間じゃ到底敵わないアル……同族でもほとんどが倒される。そんな相手にあんな戦い……お前いったい、何者アル」
神楽の目は、恐怖と強い警戒心があった。
自分の兄と匹敵するくらいの人間がいて、その素性もわからないからだろう。
遊女は神楽の目つきに少し眉を下げた。
神楽が警戒しているのが分かって、銀時も遊女に目を向ける。
「あの夜兎との猛攻、ただ者じゃねーことくらいはわかるが」
「……失礼、申し遅れましたね」
遊女は一度目を伏せて言葉を切り出し、もう一度目を開けた。
「……私は
『!』
銀時は星影の名を聞いて目を見開いた。
吉原の街の団子屋で聞いた、手の届かないような遊女が目の前にいると分かったからだろう。
第二席の花魁と聞いて新八と神楽は驚いていた。
なにせそれが本当なら、二位の花魁があんな派手で凶悪な戦闘を見せていたことになるからである。
「な、ナンバー2の花魁が、あの強さ……」
「おいおい、確かに二席の花魁『星影』は武舞に秀でた武神のような奴だとは聞いてたが……実戦でも武神なのかよ」
「不思議でもないと思いますよ。芸事の演舞として武の動きを鍛錬するのです。戦いにおいての武道に気づきと磨きが得られることもありえましょう」
星影の言葉に神楽は納得できていない様子だった
実際、武の鍛錬をした人間が夜兎に勝てるなど、限られた才のあるものでしか成し得ない
「私の知ってる中では
それを聞いた瞬間、星影はビクッと肩を震わせる
(や、ヤバい)
バレるか、と星影もといAは冷や汗を流す。
(マズいな。潜入である限り月詠ちゃんにはなるべくバレたくはない)
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!いつもご愛読いただき嬉しいです!この先も楽しんで読んでいただけるよう頑張ります(ง •̀ω•́)ง✧ (2023年1月29日 22時) (レス) @page14 id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます!今回多めな戦闘シーンも、夢主ちゃんが毎回どのように強さを見せつけてくれるのか、周りがどう反応するのか、楽しみにしております。まだまだ寒いので体調に気をつけて頑張って下さい! (2023年1月29日 18時) (レス) @page14 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月28日 13時