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吉原第二席に鎮座する戦乙女 二 ページ13

「……大丈夫なのアレ。思いっきり股間蹴られてたケド」
「あの人めちゃくちゃニコニコしてますけど絶対痛いですよアレ」

 銀時や新八だけでなく渋顔の男も二人の戦い方に呆れていた。

 遊女が口を開いた。

「この勝負、私は竿を折って玉を潰せば勝ち」
「ちょっと!この人危ないこと言ってるよ!!いま全国の男衆が一斉に股間押さえたよ!!」

 銀時は股間を押さえてツッコんでいた。
 包帯男がフッと笑う。

「なら俺はこの勝負、オネーサンの穴を塞げば勝ちだね」
「いや、対義になっておらぬが……ぬし貞操狙われとるぞ」

 月詠は白い目で言い遊女に目を移した。

「ダメですよ。女の扱いはもう少し……丁寧でないと」

 遊女が踏み込み、包帯男に殴りかかる。

「そっちこそダメだよ、男は立てなきゃ(しお)れていくものだよ」

 彼は避けて番傘を女に向かって勢いよく振り下ろした。
 彼女が避けるが、番傘が勢いよく通気口に叩きつけられ大きく亀裂が入る。

「!まずいっ」

 女が焦るが対応の間もなく足場が崩壊した。

「わわわわ!!」
「晴太!!ぐっ」

 神楽は晴太を連れようとするがデカブツの夜兎に腹を殴られる。
 轟音と共に通気口が崩落し銀時たちは下に落下していった。

「ぎ、銀さんんん!!皆ァァァ!!」

 晴太は震えながら叫び声を上げる。
 包帯男は崩落してしまい頭を掻いた。

「あらら、やっちゃったな。残念、もっとやりたかったんだけど……まあ良いや。顔は覚えたし」
「にしてもあの女、本気で団長を殺す気だったな」

 渋顔の男は遊女の戦いを思い返し、眉を寄せた。

「ありゃ……人間じゃねーぞ」
「だろうね。それにまだ半分も力を出してなさそうだったよ、アレ。夜兎に似た風だったけど……どこの星の天人だろ。鳳仙のジーさんに聞かなきゃね」

 包帯男の笑顔が戻り、渋顔の男は土煙が上がる目下を見た。

「やりすぎたかね。うるせーじいさんにどやされそうだ」
「大丈夫だよ。鳳仙の旦那はこんな街より花魁様にご執心だ。この子を連れていけば機嫌も直る」

 しゃがみ込んでいる晴太は涙目で男たちを睨みつけた。

「あのお姉さんとやるのは楽しかったけど後ろのアレ、ちゃんと殴っとけばよかったな」
「知り合いでもいたか?」
「……いや。もう関係ないや」

 包帯男は遊女に護られていた神楽を脳裏に浮かべて、煙の上がる吉原を眺め歩いていった。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» コメントありがとうございます!いつもご愛読いただき嬉しいです!この先も楽しんで読んでいただけるよう頑張ります(ง •̀ω•́)ง✧ (2023年1月29日 22時) (レス) @page14 id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - 続編突入おめでとうございます!今回多めな戦闘シーンも、夢主ちゃんが毎回どのように強さを見せつけてくれるのか、周りがどう反応するのか、楽しみにしております。まだまだ寒いので体調に気をつけて頑張って下さい! (2023年1月29日 18時) (レス) @page14 id: e6fe50ece6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月28日 13時

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