手の届かない太陽と星 九 終 ページ48
「……そいつ、会ってみたいな」
銀時の呟きに娘は眉を下げた。
「それは、少し厳しいかもしれませんよ」
「まあ二位の座だからな、金も入り用か」
「いえ。金だけではありません。彼女は自分を買う相手と予め少しの会話をして、仕事を受けるかどうか考えるのです。そこで相手を嫌だと感じれば仕事を断るんです」
最初の方はかなりの男たちが追い返されていたらしい
だがそれは皆、星影に合わない悪辣下品な者たちばかりだった
「でも星影様は誰とでも口を聞き気軽に話しかけてくださるんです。それこそ晴太のような子でも、以前に少し二人が話をして、金の量に関係なく星影様が晴太を座敷に連れて行っていましたから」
「晩酌してもらえるかはその星影っつー女の気持ち次第なのか」
「ええ。本性を隠し、媚を売って座敷で営もうと画策する者もいましたが、すぐに星影様に見破られて一蹴されていました」
あの目は異常だと茶屋娘は言った。
吉原自警団「百華」ですら見抜けない事まで見ている。
「彼女は、日輪とは違った部類の遊女です。簡単に手が届くはずなのですが……どこか手の届かない場所にいる」
他の遊女とはまた違った、高くも低くもない、特殊な敷居を持っていた。
「貴方は場合によっては、会えるかもしれませんね。ヘタな事をしなければですが……彼女、ちょっと変わった男が好きですから」
茶屋娘は苦笑いして言った。
「そーか、残念だ」
「……星影様には合えるかもしれませんが、晴太のことは諦めた方がよろしいですよ」
「ワリーな」
銀時は茶屋娘に背を向けて歩く。
娘は、背中の後ろでクナイを持っていた。
「俺ァ上でも下でも、てめーのルールで生きてんだ」
瞬間、茶屋娘が大量のクナイを銀時に放った。
しかし銀時は飛び上がってそれを避け、宙で回転して下から木刀で娘の顎を打ちつけた。
娘が吹っ飛び大きな音を立てる。
「くせ者!くせ者!」
「チッ、めんどくせーことになってきやがった!!」
騒ぎになってしまい銀時は舌打ちをしてその場を走り去った。
「何の騒ぎだ?」
晴太は近くで騒ぎが起こって不思議そうにする。
「ちょっ、ちょっと待ってよ晴太君!」
後ろから新八が声をかけて晴太は振り返る
新八は女物の着物を着てぽっくり下駄を履き、カツラを被って遊女の格好をしていた
「コレ歩きづらいよ!」
「キリキリ歩かんかい新八太夫!!」
ヨタヨタしている新八を怒る神楽も遊女の格好をしていた。
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時