手の届かない太陽と星 七 ページ46
「まさかおめーさん」
「元々あんな野良犬が日輪に会おうだなんて無理な話だったんだ。俺たちも口聞けねーような存在だぜ。今、日輪と対等に話せるのは『あの女』くらい……」
男はとある人物を思い浮かべて、「あの女も俺たちじゃ目も合わせられねー代物だし」と呟いた。
「それに一日一杯飲むにゃちょうど良い感じだったんだよあの金」
見世物番の男が笑って言うと、横の男も笑っていた。
「オイオイひでー奴だな。じゃあホントに一銭もないの?」
「ないね」
見世物番の男は返答して湯呑みを置いた。
「どーせあの野良犬のことだ。ロクでもねェことして掴んできた金に違いねーんだ。どんな使い方しようと文句言われる筋合いはねーよ」
男たちは二人して笑っていた。
が、後ろから殴られて二人とも倒れて気絶してしまった。
後ろにいた銀時は木刀を肩に当て、団子を咥えて椅子から立ち上がった。
「んなこったろうとは思ってたぜ。まァいいか。最初から金で会える相手とは思っちゃいねェ」
銀時は木刀をしまい、倒した男たちの懐を漁る。
「ネーちゃん幾らだ」
奥から出てきた茶店娘に尋ねた。
「お代は結構です。スッキリさせてもらえたので」
「晴太の知り合いか」
「ここでは有名でしたので。子供の来る場所ではありませんから……日輪と晴太を会わせようと考えておいでで?」
「うるせーガキにいつまでも住みつかれちゃ迷惑なんでな。身寄りでもいねーかと探しにきただけさ」
銀時は男たちの財布の中身を確認しながら答えた。
「金のねー奴ァどうやって日輪に会えばいい」
「日輪はここ吉原で最高位の太夫。余程の上客でなければ会えません。諦めた方がよろしいかと」
「この吉原桃源郷は地上とは別の法で縛られた一個の国。
茶屋娘は一人の人物を脳裏に浮かべ目を伏せた。
「例外……?」
「鎖で繋がれたこの常夜で唯一、自由に道を闊歩している女性。遊女でありながら、遊女でなく神の使いのように摩天楼を踊る……『
遊女に問わず、ここは誰もが管理者の鎖に絡め取られる場所である。
だがしかし、そんな中たった一人その鎖を砕いて歩く者がいた。
「星影様は、最近ここにきた遊女です」
「?そんな新入りが花魁なのか?」
銀時は少し驚いて返した。
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時