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手の届かない太陽と星 三 ページ42

ファミレスに来た銀時はパフェを頼んで食べながら少年に説教を垂れた。

「相手が悪かったな。俺とAから財布をスろうなんざ百年早ェ。ツメが甘ェんだよ」
「も、もう良いだろ。パフェ奢るからっ、見逃してくれよう!!」
「待って」

 少年がパフェ代を払おうとしていてAが止めた。

「ファミレスの代金は私が出すよ」
「えっ、でも……」
「さすがに大の大人が子供に金出させるのは心地悪いから。ね?」

 Aは困ったように眉を垂らして微笑み、少年はドキッとして目をそらした。

「っ……わかった」
「おいおいA。あんま甘やかすなって。仮にも金盗もうとした奴だぞ。とりあえず、財布に入ってた金返せよ」
「金って、アンタの財布ハナから空っぽだったろ!」
「しらばっくれてんじゃねーぞ。多分あれ、10万ぐらい入ってたはずだ。家賃払うのとAと高級レストランでデートするつもりだったから」
「アンタ子供にたかるつもりかよ、どーいう大人だ!このお姉さん見習えよ!」

 少年はAと銀時の差に声を上げてツッコんだ。

「自分が子供って知ってる奴はもう立派な大人だよ。大人はちゃんと罰を受けて責任取らんと」

 銀時は少年の首根っこを掴んだ。

「待ってええアニキ!!」
「誰がアニキだ。てめーみたいな小汚い弟持った覚えねーよ」
「ちょ、助けてアネキ!!オイラどうしても金が入り用なんス!!」

 スリまでして金が必要なのだとしたら余程、切迫しているのだろう。
 そう考えてAは目を伏せた。

「……仕方ないね。銀ちゃん、話聞くくらいはしてあげてもいいかなって思うんだけど」
「……はァ、お前ほんとお人好しだな」

 銀時はため息をついて少年を離した。


「で……何でこうなった」

 銀時は二人を連れて地下の遊郭に来ていた。

「旦那旦那、ウチで楽しんで行かな〜い?」

 遊郭に入った瞬間、大勢の遊女たちに囲まれ掴まれ絡まれてまともに歩けないでいた。

「ハイハイあとで行くから、あとで!!」
「どうせくるなら今でもいいでしょ」
「放せ俺ァ積極的な女は嫌いなんだよ!おいA、大丈夫か……って」

 引っ張ってくる女たちを引き剥がしAに目やれば、苦笑いした。

「なんか、凄い視線と圧を感じる」

 Aは今、男装をしていた。
 胸にサラシを巻き、それなりに質の良い服で身なりをしっかり整え、いかにも高官の役人にしか見えない。

 しかしその雰囲気はただ服を小綺麗にしただけでは完成しないもの。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時

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