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女の一番の化粧は笑顔 二 終 ページ38

「!!」

 近藤はバブルス王女に襟首を掴見上げられ、上からベッドに落とされる。

(お妙さん……最後に君の笑顔。もう一度見たかった)

 近藤は心の中で思いを嘆く。

 その時、入口の方から勢いよく薙刀が飛んできた。

「!」

 薙刀は近藤の襟首を引っ掛け、大きな音を立てて壁に突き刺さる。

 壁にぶら下がった状態の近藤は、入り口に立つ人物に目を見開いた。

「お妙さァァァん!!」
「姉上ェェェ!!」
「アネゴォォォ!!」

 近藤、新八、真選組の隊士たちが歓喜の声を上げる。
 しかしゴリラたちが怒り出してしまった。

「もう構うもんか!いくぞてめーら!ゴリラ如きにヘコヘコしてられっかァァ!!」

 真選組が一斉に暴れ出し、松平も近藤に惚れた相手がいると知って加勢した。

 近藤が感極まって泣き出すなか、お妙がドドドドと走ってきた。

「てんめェェェ!!何してくれてんだァァ!!私のおっ……」

(おっ……夫!?男!?)

 近藤はお妙の言葉にドキドキして

「弟とAさんに何とんでもねーもん見せてくれとるんじゃァァァ!!」

 ドゴォ!!と王女の頬を勢いよく蹴り飛ばし、近藤のいる壁に打ち当てた。

「ごぶェ!!」

 近藤は鈍い声をもらし、バブルス王女の巨体が地面に倒れて大きな音と土煙を立てた。

 ワッと騒がしくなる会場の外で、九兵衛は受付の人に祝儀を渡した。
 受付嬢はその量に驚いて。

「あの、お名前だけでも」
「気持ちだけ渡しに来た」
「でもこんなに沢山ご祝儀……」
「いいんだ。いろいろ迷惑かけたし。それに……見たかったものもようやく見られたしな」

(やっぱりそこにあったか)

 九兵衛は騒がしい会場で楽しそうに笑うお妙を見て微笑む。

「もう帰っちゃうの?」

 背を向けて帰ろうとするが、誰かが声をかけてきた。

「A……」

 九兵衛は振り返ってAを見る。
 彼女のもとに歩み寄り、じっと見つめた。

「ん……?」

 Aが不思議そうにしていれば、九兵衛が彼女の手を取る。

「A、今回はありがとう。久しぶりに君と手合わせできてよかった。結果的には負けてしまったけど……僕はこれからも君に近づくことを目指すよ」

 だから、と九兵衛は続ける。

「何かあったときは僕を頼ってくれ。その時は、全力で君の味方として戦う剣になろう」

 Aは目を見開いて少し固まる。
 フッと表情が崩れ

「ありがとう。よろしくね、九ちゃん」

 にっこり微笑み手を握った。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時

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