普段眼鏡をかけている奴が外すとなんか物足りない 三 ページ30
敏木斎は九兵衛と共に三人を挟みながら口を開いた。
「大将の小僧がやられたら終わり。Aもいて三対一だが、そこの小僧を護りながらじゃさっきみたいに奇襲に気付くのが遅れる。お兄ちゃん、お前がやられればその奇襲のフォローもいなくなり戦況は格段に悪化する」
「この勝負、荷物を抱えて勝てるほど甘くはないぞ」
敏木斎と九兵衛が同時に踏み込み素早く動きだす。
(速っ……)
新八が驚いている間もなく、二人の攻撃の嵐が降ってくる。
(見えない!)
銀時と新八、Aは背中合わせになり九兵衛たちの攻撃を刀で受け止める。
しかし新八はあまりの速さと斬撃の威力に目を瞑ってしまっていた。
囲まれている状況で、新八に隙が生まれれば彼は即脱落になりかねない。
隙が生まれた瞬間、皿を狙われればAがすぐさま反応して刀で防いだ。
「ぐっ!」
しかし無理な動きをするせいで刀の衝撃をうまく流せず痛みに眉を寄せた。
「新八ィ!目ェ開けろ!」
銀時は歯を食いしばって攻撃を受け止めながら汗を流して声を上げた。
「びびってんじゃねェ!!見えるもんも見えなくなるぜ!!最後まで目ェひんむいて戦え!!」
(そんなこと言ったって、こんなのっ)
ガンッ!と下からの突き上げに新八の手から刀が離れ、遠くの方へ跳ね飛ばされた。
「あっ!!」
『動くな!!』
慌てて取りに行こうとした新八に銀時とAが叫んだ。
瞬間、周りを高速で飛び交っていた九兵衛と敏木斎が同時に新八へ攻撃を仕掛けてきた。
ドガッ!と音が鳴り、銀時とAが新八の前に出て生身の体で九兵衛たちの強い斬撃を受け止めた。
『ぐふっ!!』
「銀さん!!Aさん!!」
銀時は口から血を吐き、Aは鼻から血を流した。
二人は攻撃を受けて前に倒れそうになるが、互いに相手の腕を掴んで耐え、体勢を立て直す。
それでも九兵衛たちの斬撃は止まず、二人で丸腰の新八を背中に護っていた。
「大丈夫かA、鼻血出てんぞ!チョコ食べすぎたか!?」
「銀ちゃんこそ、吐血してるよ!糖尿病悪化したの!?死んじゃうの!?」
「死なねーよ!!おまっ、返しが怖すぎんだろ!」
二人ともノリとツッコミを繰り広げ余裕そうにしてはいるが、後ろにいる大将を狙われるためか防御のみで攻撃に転じられないでいた。
(ダメだ……ここまじゃ、二人まで)
二人に護られるだけの状態に、新八は焦燥を抱き目を見開いて額から汗を流した。
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時