親しい相手にも恥じらいは持て 一 ページ15
四人で言い争うが、銀時が一旦落ち着いて提案をした。
「敵だのなんだの言ってる場合じゃねーぞ。とりあえず紙を手に入れるのが先決だろ。どうだ……ケツ拭くまで勝負は預けて協力しねーか?」
「敵と組めと?そんな手に乗ると思いますか」
「東城よ、仕方あるめーよ。ここは勝負を忘れてケツを拭くことに専念しましょ」
反対する東城を敏木斎が説得し、一度状況を整理することになる。
「今この厠の個室全てトイレットペーパーはない。普段からあまり使われていないゆえ誰かが来ることも考えにくい」
「それなんだが……敵もいるし言いたくはないが、Aさんがもしかしたらこの近くに来るかもしれない」
東城の言葉に近藤が割って入った
「それは……Aさんに、このきったない男子用の厠に入らせる気ですか?」
「……いや、そうなるよね」
東城がだいぶ間を開けて返答して近藤は苦笑いした。
「ケツを拭いてない状態だと袴すらはけなくて助け呼びにいけねーしな。全員持ってるもん全部出せ」
銀時の言葉で東城と近藤の中で裏の読み合いと心理戦が始まった。
が敏木斎が紙やすりを提示してきたことで場が荒れる。
結局は紙やすりが全員のところに回ってくるが
《やすりの目が思ってたより三倍粗いィィ!!しかも両面!》
東城と近藤は紙やすりを選択肢から消したが、銀時と敏木斎の方から紙やすりの音が聞こえてきてまた場が荒れた。
実際二人はただ、紙やすりで壁を擦ってやすりの性能に感心しているだけである
「おいっ、お前ら本当にそれ使って」
「はあ、はあ、この屋敷やっぱり広いなー。救急道具探し回ってたら遅くなっちゃったよ。あれ、土方さんたちいない。どっか行っちゃったのかな」
『!!』
厠の外から女性の声がして全員がそれに反応する。
《この声……Aさん!!》
(Aか!!)
銀時と敏木斎も動きを止め、外の彼女のことを考える。
(どうする!いま声を上げればAさんに紙を持ってきてもらえる!だがしかし!!)
(女性をこんなきったない厠に踏み入れさせるわけにはいかない!!)
(ましてや相手はAだ、こんな状況……絶対引かれる)
近藤、東城、敏木斎が神経を擦り減らして迷うなか銀時が開口した。
「Aー聞こえるかー」
《お前ェェェ!?》
三人は銀時の蛮行に汗を流し内心で叫び声を上げた。
「え、その声銀ちゃん?」
「おー」
外から聞こえるAの声に、銀時は気の抜けた声で返した。
親しい相手にも恥じらいは持て 二 →←腹の調子には気をつけろ 六 終 ※下ネタ注意
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刹那*桜(プロフ) - アイナさん» あけましておめでとうございます!10個目でも見に来てくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月6日 4時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
アイナ(プロフ) - あけましておめでとうございます。そしてシリーズ数二桁突入おめでとうございます。今年もぜひ、夢主ちゃんとお兄様の活躍と銀魂キャラたちの奮闘を拝見させてください! (2023年1月2日 10時) (レス) id: 503469204d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2023年1月1日 3時