続き(きつね様) ページ36
―――ジャミル side
それがあるから、子供になってもその洞察力が活かされてるんだろう
何だか……俺の知らない、心の奥底を見透かされてる感覚がする。こんなにコイツが『恐い』と感じたのは初めてだ
カ「何で泣きそうって……」
主「言いたいこと言いあったのいつ?」
カ「え?」
主「腹のそこから、もんく言ったのはいつ?ケンカしたのはいつ?ビンタするなりなんなりしたのはいつ?」
カ「そ、それは……オレ達はそんな事」
主「そんなのは"ともだち"って言わない」
カ「!!!」
主「ともだちって言うのはケンカをするもんだよ。言いたいこと言って、すれちがって、もんくも言って、いっしょに泣いて、おたがいに怒って……それでもさいごには笑って仲直りするんだよ」
カ「それが……友達……」
主「ほんとうにともだちだと思うなら、泣かなきゃダメだ。2人に足りないのは泣くこととケンカ」
ジャ「……従者の俺がカリムと喧嘩をするのは」
主「ここでは、おまえらなんか"ただの生徒"だろ?」
ジャ「!!!」
主「ここは家?しょくば?違うぞ。ここはがくえんだ。ここに居る時は、おまえらは"ただの生徒"で"ふつうの人間"それ以外何もない。もし、2人が本当のともだちになったその時はーーー。」
泣きそうになった。ナツメの言葉を聞いて、ナツメの目を見て、言ってる事全てが……俺達の、いいや……俺の1番欲しい言葉だった
カリムは既にボロボロと泣いていて、俺の目からも大量の涙を流してた
子供でも、ナツメはナツメのままだった。テンションなんかは全然違うし、何ならかなり大人びているが……それでも俺達が救われたのは確かだ
俺とカリムがナツメを強く抱き締めるのはほぼ同時で、ナツメはそんな俺達の頭を優しく……それでいて少し乱暴に撫でた
カ「ナツメも寝ちゃったな」
ジャ「そりゃ疲れたんだから仕方ないだろ」
カ「なぁジャミル……」
ジャ「……カリム」
カ「?」
ジャ「喧嘩……するか」
カ「……え、それって」
ジャ「真に受ける訳じゃないが、その……ナツメがせっかく俺達に言ってくれたんだから……やらないと、だろ?」
カ「じゃ、じゃびぅ〜ッ!!(泣)」
ジャ「汚ッ!!??お前、どんな顔してるんだよ!穴という穴から汁を出すな汚らしい!」
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作者名:抹茶ラテ x他1人 | 作成日時:2020年8月6日 23時