第60話 ページ13
翌日の朝、司令室。
「・・・これはどういうことかね、霧玄くん」
目の前に差し出された“休暇願”と書かれた書類に視線を向けながら、城戸司令が低く呟いた。
「どうも何も、休暇願です」
「規則に背いた君に対して、私がこれを受理するとでも？」
普段に増して機嫌の悪い城戸司令に、Aはあえて毅然とした態度を取り続ける。
「規則に背いたつもりなんてありません。
私はただ、天体観測をする為に玉狛支部に行ったまでです」
「・・・ならば何故、黒トリガーを起動した」
「いくら天体観測とはいえ、生身で寒空の下に何時間もいたら凍えてしまいますよ。
だからトリガーの力を借りたんです。トリオン体なら寒さも関係ありませんしね」
だから今回の件は自分とは無関係。
面と向かってそう主張しているかのようなAに、城戸司令は眉を顰めてため息をついた。
「私用での黒トリガーの起動は禁止と、そう言っていたはずだが」
「それについては申し訳ありません。どうやら本部にノーマルトリガーを忘れてしまったようで」
どちらにせよ違反行為であることには変わらない。
起動したのがノーマルトリガーであったなら、罰則として弧月のポイントを引くことも出来た。
しかし黒トリガーとなるとポイントなどない。これも作戦の一部だったのだろうか。
「・・・まあいい。しかし、私用でのトリガーの起動は隊務規定に反する行為だ。
今後は気をつけたまえ・・・それで、休暇の理由は何だね」
その言葉にAは少々考える素振りをした後、城戸司令の目を見てこう答える。
「大切なものを守るため・・・ですかね」
薄く笑んだAの瞳は、濁りながらも赤く輝いていた。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
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シロナ(プロフ) - 世界さん» 温かい応援をありがとうございます！世界さんが楽しんでいただけたのなら幸いです。できる限り更新のほうも善処しますので、これからもよろしくお願いいたします。 (2016年6月6日 22時) (
レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
世界 - とても面白いです（≧∇≦）更新頑張ってください。 (2016年6月6日 18時) (レス) id: 5b7a28e31b (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - 銀河さん» 温かい応援ありがとうございます！銀河さんのご期待に沿えるように、精一杯更新していこうと思います。私事により更新ペースはかなり遅いですが、よろしければ気長にお待ちいただけると嬉しいです。 (2016年1月19日 20時) (レス) id: 16408a5fe0 (このIDを非表示/違反報告)
銀河 - とても面白かったです！シロナsが書く文章がとても読みやすかったです。頑張ってくださいね。 (2016年1月17日 7時) (レス) id: 550193059d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロナ | 作成日時：2015年10月23日 23時
