『ワールドトリガー』私の彼氏は黒トリガー (ページ17)

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第15話ページ17

56％。

その数値を見た瞬間、Aは反射的にすれ違った少年の腕を掴んでいた。

「っ何するんだ・・・って、Aさん・・・？」

一度振り払うような動作をした後、腕を掴んだのがAだと気付いて動きを止める少年。

そんな少年の目をじっと見ながら、Aは少年に問うた。

「・・・秀次、これからどこに行くの？」

「・・・別に。あんたには関係ないだろう」

その目に威圧されたのか、目を逸らし気味に答える秀次・・・もとい三輪。

「その様子だと城戸司令に何か頼まれたんじゃない？」

「・・・だから、関係ないと言っている」

図星か、と頭の中で察したAは、「関係あるよ」と食い下がった。

「今日の秀次は56％。いったい何を頼まれたらこんな数値になるの？」

目を逸らした先でまた真っ直ぐに見つめられ、敵わないなと三輪はため息をついた。

「三雲が近界民と接触している可能性がある。だからその近界民の排除に行く。それだけだ」

「ひょっとしたらその近界民に返り討ちにされるかもね。この数値だと。

　・・・戦わないほうが、身のためかもよ？」

Aがそう忠告すると、三輪はギッとAを睨んだ。

「俺がただの近界民に負けるとでも・・・？ふざけるな！！近界民はすべて敵、排除の一択だ！」

今度はその剣幕に威圧されたAが、「・・・そう」と引き下がった。

一気に機嫌の悪くなった三輪は、「フン」と踵を返して廊下を歩き出す。

「・・・復讐が生きる目的なら、それもいいと思う。ただ・・・」

その炎で、自分を燃やしすぎないようにね。

そう語りかけるAの声は届いていたのか、そうでないのか。

三輪は一度も振り返らずにその場を立ち去り、指示通り近界民の排除任務に向かった。