・ ページ15
.
「み…見たの…?」
「見たよ。関わった作品はちゃんとフォローしてるし」
即答の返事に、軽く目眩がする。
「か、顔隠してたのによく分かったね…?」
「とーぜん」
私の苦し紛れの問いかけにまた即答したわたるは、私との距離を詰めた。
わたるに向き直って立ち尽くす私の腰に手を回し、緩く抱き寄せる。
そのまま、耳元に顔を近づけて囁いた。
「自分の彼女の身体なんて、分からない訳ないだろ」
「!!」
なんか色々と変な方向に考えそうな言葉で、一気に自分の顔が熱くなるのを感じた。
私の反応に気を良くしたのか、わたるが続ける。
「ふ、顔真っ赤。耳、弱いの?…可愛い」
声優スキルを発動して、余裕そうに言う彼だったけど、…私は知ってる。
「そ、そう言うわたるだって顔真っ赤でしょ…!」
甘い台詞は沢山言うはずなのに、いつも恥ずかしがってること。
ダミヘ配信の時だって、台詞を言った後に「…なんてな!」みたいに言って、恥ずかしいのを誤魔化してる。
…いや、ダミヘ配信を聞いてるのは本人には内緒なんだよこっちも恥ずかしいからね…。
私の言葉に、ピクッと少し反応したわたるだったけど、すぐに気を取り直したらしい。
「まあ、否定はしないけど…Aの可愛い顔が見れるんなら、幾らでも言ってやるよ」
そう言うと、最後に、ふっ、て耳に息を吹きかけられたので、「ひゃ、」と思わず声が出た。
くくっ、と喉元で笑う声が聞こえて、
(結局、わたるには勝てないんだよなあ)と、私は心の中でため息をつくしかなかった。
作ったカレーは無事?わたるのT◯itterに写真が上がり、こたぬきちゃん達から絶賛されてました。
大人になってから余り経験してこなかったけど、こんなほっこりした過ごし方も良いかも、なんて思った今年のハロウィンだった。
「そーいえばさ…なんでコスプレ魔女にしたの?」
「うーん、一番無難そうだったから」
「来年はアレにしろよ、化け猫とかさ、」
「…うん?」
「堕天使とかさ…」
「…ふふ、うん、分かった分かった」
「…お前ニヤニヤし過ぎだろ」
ver.green END
NEXT>>ver.violet
206人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しろ鮎(プロフ) - 白雨さん» わー!白雨さーん!コメント下さってたんですね、返事がめちゃくちゃ遅くて申し訳ないです…ありがとうございます!ハロウィンにかこつけてイチャイチャしてるだけな感じですが(笑)、書いてて楽しかったです。次も今準備中なので(12月なのでアレです)良ければ〜! (2020年12月3日 22時) (レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
白雨(プロフ) - 新作出してらしたんですね……!今回の短編集も四人の特色がよく出ていて愛らしさを感じる雰囲気でした!ハロウィンのお話を書かれるとは予想していなかったので新鮮な感じです(笑) やっぱりしろ鮎さんの書くお話大好きだなーと思いながら読ませて頂きました(*´艸`) (2020年11月24日 22時) (レス) id: f9e7441818 (このIDを非表示/違反報告)
しろ鮎(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろさんご無沙汰してました、今作もお付き合いありがとうございました!一つのテーマを設けて作るの楽しかったので…またやろうかな?と思い始めてしまいました笑 またよろしくお願いしますー! (2020年10月30日 8時) (レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
しろ鮎(プロフ) - リセットさん» 初コメありがとうございます、前作も読んで下さったんですね…嬉しいです!ときめきをお届けするのが私の作者としての目標なので、リセットさんにはお届けできたようで良かったです〜! (2020年10月30日 8時) (レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
しろ鮎(プロフ) - せせ@れいとうるぅれっとさん» コメントありがとうございます、最後までお付き合い頂きありがとうございました〜!自己満足の小説なんですが、お楽しみ頂けて良かったです!またよろしくお願いします〜! (2020年10月30日 8時) (レス) id: dffb4b3955 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しろ鮎 | 作成日時:2020年10月11日 6時