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▽side.t
言った。
言った。
言っちゃった、。
レストランの食事か？と思えるほどの心底美味いくらなんとかスープを味わって、食器も何もかも片付けてもらった。
そして、至れり尽くせりな空間に満足しながら当たり前のようにソファへと腰掛ける。
そこでふと、ようやく思い出した。
目の前の薔薇。
そうだ、これは、あの日撮影で使った造花だ。
間違えるはずがない。
だって、そう、俺も黒い薔薇を持っているのだから。
なんとなく、本当になんとなく手に持ったまま家に帰り、なんとなくベッド脇に飾ってみた。
深い意味なんてない。
けど、それを視界の端に捉えて眠ると、なんだか安心したのは事実だ。
それだけのこと。
なのに、北斗も同じように飾っているなんて。
何故だかぎゅっと胸が痛んで、嬉しいんだかむず痒いんだか、よくわからない感情が俺を支配した。
それでも、この気持ちを、俺も同じであることをアイツに伝えたところで、気持ち悪がられるだけかもしれない。
ならば。
見なかったことにしよう。
知らなかったことにしよう。
そう思っていたのに。
気がつけば足も口も、北斗の方へと向かっていて。
戸惑うように口を塞ぎ、眉をひそめるアイツなんて御構い無しに、言ってしまった。
ああ、今ごろ、気持ち悪いと思っているだろうか。
あの薔薇を捨ててしまっただろうか。
俺のことを、更に嫌ってしまっただろうか。
思考はどんどん悪い方へと進んでいく。
考えたって仕方ないのに、否が応でも考えてしまう。
俺と北斗って一体何なんだろう。
きっと似ているはずなのに、どうして遠いんだろう。
これが樹だったら、慎太郎だったら、ジェシーだったら、高地だったら。
一緒だね。お揃いだね。で済んだだろうに。
なんで、なんで。
そんな簡単な言葉さえ、吐き出させてはくれないんだろう。
自分の突発性と、無駄な思考回路に嫌気が差す。
こんなことなら、いっそ、
.
続く (更新停止中)
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白梅(プロフ) - なぺこさん» なぺこさんコメントありがとうございます！嬉しい言葉がたくさん、、！不定期更新ですが、ぜひこれからも応援よろしくお願いします！ (2019年6月3日 16時) (
レス) id: ff41a5aa52 (このIDを非表示/違反報告)
なぺこ(プロフ) - とても面白いです！文章から、その時の情景がすごく伝わってきて読みやすいです！！好きです！応援してます！！ (2019年6月2日 22時) (レス) id: 7d886639bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白梅 | 作成日時：2019年5月15日 18時
