第１話 協力と対立 ページ3
「五影…ですか？」
「そうだ。我々が知っている一般的な忍者とは違い、チャクラと云う忍術を発動する為に必要な力を持っているらしい。武装探偵社も昔から世話になっていて、時折、協力関係にある」
入社直後の僕――中島敦――に、国木田さんが話している途中で、武装探偵社の扉が二回叩かれた。
「ちなみに、西区と中区は、木の葉出身の榊一族と朱雀一族の管轄になる。まあ、口でどうこう云うより、直接会ったほうが良いだろう」
「はあ…」
応対は、社長秘書の方がして、社長が居られる応接間へ案内された。武装探偵社同様、五影の事は風の噂で聞いていたが、どれ程の規模なのか全く想像がつかない。案内された人は、一人一人に挨拶をする様子に好感をもった。
ショートヘアが似合う朱色の髪を持った、灰眼の女性。凛々しい雰囲気と表情だった。ぴんと背筋が伸びており、此方も自然に『きちんとしなければならない』と云う気持ちになる。
数十分後、国木田さんの見送りによって、一連のご挨拶が終わるものと誰もが思ったが――
「美しい…。どうか私と一緒に心中してはくれないだろうか？」
太宰さんが、彼女を引き留め、手を握る。だが、彼女は、国木田さんの鉄拳より早く、言葉を返した。
「あいにく、あたしには主人も子もいます。死にたいのであれば、他を当たって下さい」
其処で、ようやく理想主義者の制裁が成されて、僕達は、谷崎さんと一足先に、一階の喫茶店に行く事になった。
「紹介が遅れたね。榊Aと申します。先週、熊本からこちらに越して来たんだ」
「僕は、中島敦です。今朝、入社が決まったばかりなんです」
注文した品が届いた後、谷崎さんから謝罪があり、改めて自己紹介し、太宰さんの前職当てで躍起になっていた処、依頼が入った。
「では、あたしはこれで。そうだ。中島君、下の名前で呼んでもいいかな？ あたしの場合、名字で呼ぶと、色々とややこしいから」
「あ、はい。どうぞ」
「またね。敦」
そう言って、Aさんは、喫茶店を後にした。
其の数十分後、僕と谷崎兄妹は、ポートマフィアの一人・樋口に銃口を向けられていた。依頼人を装った彼女以外、其れに怯え、身をすくめた。銃弾を浴びたナオミさんが、谷崎さんを守って倒れる。
「ちっ。間に合わなかったか」
居るはずの無い人の声が、袋小路に響く。
「A、さん？」
「貴様…！」
彼女は、片手にクナイを構え、樋口の手の甲に、其れを突き刺した。
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エミリア1415(プロフ) - にゃんこさん。コメントありがとうございます。魅力的に書けるように頑張ります。 (2021年1月15日 15時) (
レス) id: 82aefb6635 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 芥川大好き。龍チャン愛してる。 (2021年1月15日 13時) (レス) id: b3d6820988 (このIDを非表示/違反報告)
エミリア1415(プロフ) - 白狐さん» 白狐さん、コメントありがとうございます。更新できるように精進しますね (2018年12月16日 17時) (レス) id: c808353d76 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - あー、最高。全てが好き。更新頑張ってください。僕の為にも((( (2018年12月13日 23時) (レス) id: b607d0f086 (このIDを非表示/違反報告)
エミリア1415(プロフ) - ありがとうございます。頑張りますね。 (2017年4月9日 15時) (レス) id: 738ed6759e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミリア | 作成日時：2017年3月12日 22時
