64*再会と接触 ページ17
東京に着くとお兄ちゃんが迎えに来てくれていたのだけど…相変わらずの豪快な笑い顔。
｢おーい、A！じいちゃんも久しぶりだなぁ！｣
｢元気にしていたか｣
｢おう！じいちゃんも元気そうだな！｣
｢…姉ちゃんじゃなく？めっちゃ可愛い…｣
｢黙ってたら女みたいだな。｣
太一と賢二郎の声に頷いた。
髪が長く背も低めでバレー部の人達から見たら小さく、それでいて女顔の兄。
｢Aもひさしぶりだなぁ。
今日は何食いたい？好きなもん食わせてやるよ｣
｢久しぶり、お兄ちゃん。
美味しいもの食べたい♡｣
｢ん〜妹が可愛すぎるっ！
…で、こん中に彼氏いんの？及川と別れたって本当？｣
急に黒くなる雰囲気…
3つ上の兄は私を凄く可愛がってくれ、徹先輩の事も脅しつつ私を大事にすると約束させたくらい。
ふと目があった賢二郎の人でも殺しそうな目。
この二人対面させちゃいけないんじゃないかな…
何と無く似たオーラを感じつつ…
｢お兄ちゃん！往来の真ん中でやめて。｣
｢Aと付き合ってる白布です。｣
言葉が被ったと思えば、隣には賢二郎さんが居て兄と…まるで睨み合っているようだ。
｢あぁ？｣
｢以後お見知りおきを。｣
｢ほんとにやめて。
付き合ってる白布賢二郎君。大切にしてもらってるの！もう…行くよ！｣
部員達に見られてるのも恥ずかしく、おじいちゃんに声を掛けて、お兄ちゃんの背中を押してその場を後にする。
ちらりと振り返り賢二郎に手を振ればあちらも振り返してくれ…
｢なんで賢二郎にあんな態度取るのよ！優しくて良い人なんだから。｣
｢及川ならまだしも、知らない人と付き合うのやだ。アイツ絶対元ヤンだろ？！俺にメンチ切ってただろ？！｣
シスコンだけど、基本は優しくて良い兄。
シスコンだけど。
…まぁいいやと諦めて、連れて行ってくれるからとお買い物とご飯を楽しむ事に。
*
｢相変わらず美味しそうに食べるねー｣
｢おいしい♡｣
夕飯の帰りにクレープを買って貰い、歩きながら食べてるとお兄ちゃんの携帯に着信が入り…ここで待っててと。
ふと、背の高い人と目が合う。
おにぎり食べてる…すっごく美味しそうに。
あんなの見たらおにぎり食べたくなる…
｢それ、うまそうやなぁ。
どこで売ってんの？｣
｢…この先の角のお店です。｣
｢行ってみるわ、ありがとう。｣
｢サムなにナンパしてん！
北さんに怒られるからはよ行くで｣
関西弁？イケメンの双子さんだ…
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作者名：モカ
| 作成日時：2020年4月10日 21時
