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大体、貴方が朝のうちに出してくれればこんなことしないで済むのに。
大体、私だって回収して先生のところにまで持っていくの面倒くさいのに。
それでも私は委員長だから、甘んじてその役割を請け負っているだけなのに。
「別に、委員長だからって何でもかんでも請け負う必要ないんじゃないの」
「……そういうことを私に言う前に、もっと早くプリント出してくれる？」
国見くんの言い方にカチンときたというより、傷ついた、の方が正しいかもしれない。
滑り出した口は止まらない。
ずっとずっと、どうして私がって思ってるのに、どうしてよりにもよって貴方がそういう言い方をするの。
どうして貴方に言われなきゃならないの。
誰よりも、国見くんに言われたことが傷ついた。
「正直、迷惑なんだよね。毎回毎回、国見くんが一番最後で、起こしたらそうやって迷惑そうな顔するし」
「迷惑なんだ？」
「迷惑だよ。私だって好きでやってるわけじゃないんだから、面倒事増やさないで」
知らないうちに、結構大きな声を出していたらしい。
随分と言わなくていいことばかり言ってしまった。
普通に、いつもよりちょっとキツめに、「もっと早く出して」ってそれだけ言えばよかったのに。
国見くんにとって、私って『嫌な女』以外の評価ってあるのだろうか、無いだろうな。
心がちくりとする。
クラスメイトたちがちらちらとこちらを伺う視線から逃げ出したくて、私はプリントを受け取って直ぐに国見くんの席を後にした。
☆ ☆ ☆
ぼろぼろと流れてくるものを止めようと必死に顔を擦る。
ひりひりする顔を擦れば擦るほど溢れてくるものは止まらない。
聞いてしまった、たまたま。
それだけの事。
それだけのことだけれど、どうにも割り切れなかった。
女子の陰口ってやっぱりトイレって相場が決まっているのだろうか。
放課後、教室掃除を手伝って、日直が忘れて帰った花瓶の水を取り換えて、学校に残って勉強するつもりだった。
勉強を始める前にお手洗いに寄ったその時、そこにいたクラスの女の子たち……要は友人たちが話しているのを聞いてしまった。
中学の時は頻繁だった悪口の横行は、高校に入ってあまり聞かなくなった。
なったから、油断してしまった。
中学生だろうが高校生だろうが、結局私たちは「女」なのだ。
国見くんの見目が普通の人より大分良かったのが、尚更良くなかった。
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つばき - 川西のお話、鳥肌が立ちました。陰のある恋をしてほしいっていうの、同意します…！ (2021年2月14日 10時) (
レス) id: f1e42d3762 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - リムさん» ありがとうございます！ 頑張ります (2019年12月30日 22時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
リム - 赤葦の物語とっても切なくて涙が止まりません・・・泣 これからも頑張ってください! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 7cc2098249 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 天祢さん» そう言っていただけてうれしいです！個人的にも川西くんのお話が好きなので、刺さってくださる方がいて良かったなあと思います。更新を楽しみにして頂けるとうれしいです。コメントありがとうございました！ (2019年12月14日 15時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
天祢 - 読ませていただきました!勿論全部のお話が素晴らしかったのですが、元々最推しなのもあって川西くんのお話が特に良かったです。深いなぁ…と思いました。更新頑張って下さい!楽しみにしています(^-^) (2019年12月13日 21時) (レス) id: dfbff6b887 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔梗 | 作成日時：2019年11月16日 13時
