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むしろ可愛い子に誘われてラッキーぐらいではある。
でもなんか、こうしてぐいぐい来られるとどうしていいのかわからない……というかなんというか。
「まあ嫌じゃないなら行ってみれば」
「てきとうかよ」
「どうでもいいし」
賢二郎にそう言われて、俺は悩んだ末彼女に「明日何時？」とメールを送ることにした。
テスト勉強期間で部活もないし。
ちょっといいなと思う女の子と星見だなんてロマンスもいいとこじゃないか。
こういう青春も、まあアリだろう。
そういうわけで、寮に届出を出しばっちり準備を整えた俺はこうして彼女と待ち合わせをして星見に出かけるわけなのだが。
「……ていうか、俺じゃなくて天文部の人とか誘えばよかったんじゃ」
「いいの！ 川西くんと観たかったから」
いやいやオイオイそれはどういう意味だよ、と問い詰めたくなるのをぐっと我慢して俺は「あ、そうなんだ」とだけ返すに留めた。
いやほんとに反応に困るんでやめてください。
彼女は随分と大きな荷物を持って現れたので、ここは男として荷物持ちに名乗りをあげると「ありがとう」と微笑まれた。
うん、可愛いな。
彼女から受け取った荷物はずしりと重みがあって、ちょっと驚く。
これ何が入っているんだろう、と俺が彼女に聞く前に彼女が「それ望遠鏡が入ってるから気をつけて欲しいです」と教えてくれた。
なるほど、望遠鏡か。
確かに天体観測には必須アイテムだろう。
彼女の先導するままについていくと、だんだん街灯も住宅も少ない道になっていく。
結構な暗さなのでこれはちょっと怖い。
ここら辺でいいかな、と彼女が言ったのは人気のない公園で、こんなところに公園なんてあったのかと驚いた。
「ここ灯りも少ないし星を見るにはいい場所なんだよね」
「そうなんだ」
「そうなんです」
彼女は俺から荷物を受け取ると、テキパキと望遠鏡を組み立てていく。
組み立て式の簡易な望遠鏡らしいが、出来上がった望遠鏡は随分と立派で、恐らく結構ないい値段がするのだろうなと思った。
彼女は天文部らしく天体観測に手馴れた様子で、敷物を敷いて、その上に腰掛けれるようにしてくれた。
温かい飲み物まで出てきてちょっと感動した。
物凄く寒い訳では無いけれど、肌寒くはあったので温かい飲み物は有難い。
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つばき - 川西のお話、鳥肌が立ちました。陰のある恋をしてほしいっていうの、同意します…！ (2021年2月14日 10時) (
レス) id: f1e42d3762 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - リムさん» ありがとうございます！ 頑張ります (2019年12月30日 22時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
リム - 赤葦の物語とっても切なくて涙が止まりません・・・泣 これからも頑張ってください! (2019年12月22日 2時) (レス) id: 7cc2098249 (このIDを非表示/違反報告)
桔梗(プロフ) - 天祢さん» そう言っていただけてうれしいです！個人的にも川西くんのお話が好きなので、刺さってくださる方がいて良かったなあと思います。更新を楽しみにして頂けるとうれしいです。コメントありがとうございました！ (2019年12月14日 15時) (レス) id: b9479cbc1c (このIDを非表示/違反報告)
天祢 - 読ませていただきました!勿論全部のお話が素晴らしかったのですが、元々最推しなのもあって川西くんのお話が特に良かったです。深いなぁ…と思いました。更新頑張って下さい!楽しみにしています(^-^) (2019年12月13日 21時) (レス) id: dfbff6b887 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔梗 | 作成日時：2019年11月16日 13時
