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第一話 ページ2

とある山奥の家。

数年前に拾った少年…百鬼丸と共に、寿海はそこに住んでいた。

百鬼丸は流れてきた船の中で拾った。

体のあちこちを欠いてもなお、生きようとする様に寿海は再び生かされた。

寿海「百鬼丸、今日の夕飯は魚にしようか」

耳もないので、百鬼丸が聞こえていないということは分かっていた。

それでも、我が子のように接するのは、寿海にとっての生き甲斐であった。

百鬼丸「…」

雨の中、帰路の真ん中で百鬼丸が足を止める。

寿海「どうした、百鬼丸」

作り物の目は、真っ直ぐその先を見ていた。

寿海「…!あれは…」

百鬼丸が見ていたのは、人だった。

道の真ん中で、雨に打たれながら倒れている。

寿海は駆け寄り、その姿を見て息を呑んだ。

寿海「…腕を、切られたのか…」

切られた痕は処置もされず、痛々しい姿だった。

「…ぅ…」

寿海「ああ、生きているのか…もし、大丈夫か」

その人を抱き起こした寿海は、再び息を呑んだ。

寿海「子供…?しかし何故、このような髪色に…?」

一瞬、老婆かと見間違えたほどに、その少女の髪は白かった。

いや、白というより、白銀であった。

寿海「…とにかく、まだ命はある。手当をせねば」

寿海は少女を抱え上げ、足早に帰路を辿った。

後ろで、ばしゃばしゃと水溜りを蹴りながらついてくる百鬼丸の足音が聞こえる。

寿海(こんな小さな命でも、これ程の強さがある…まるで、あの時の百鬼丸のようだ)

道中、寿海はそんなことを思っていた。

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輪廻 - めっちゃ面白いです!(^ ^) 続きを楽しみにしてます! これからも頑張ってください! (2019年7月11日 12時) (レス) id: bf927136c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 何が総合2位wwオリフラ立てたからじゃん (2019年6月27日 20時) (レス) id: 50d994e323 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。外されないなら違反報告します (2019年6月27日 18時) (レス) id: c56aad1eeb (このIDを非表示/違反報告)
姫鬼(プロフ) - siriusuさん» ありがとうございます、励みになります!! (2019年4月15日 19時) (レス) id: 72603904b9 (このIDを非表示/違反報告)
siriusu(プロフ) - とても面白いです!続き凄く気になります!更新頑張って下さい!q(^-^q) (2019年4月3日 16時) (レス) id: ee4308919b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:姫鬼 | 作成日時:2019年2月17日 11時

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