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首領の引き継ぎが終わり、最近は命を狙う輩は減ってきた…

否、正確に言うと思っていてもそれを実行に移す人がいなくなったと言えるだろう。
現首領の敏腕さが現れていると思う。

今この時期に攻めてくるとは…
ミミック戦で戦力をそっちに回しているというときに…

ミミック戦の真っ最中だからこそ…?

それなら組織内のものなのだろうか。

だがもし首領を殺める者がいるとしたら
もちろん異能力の存在はわかっているのだろう。

首領の異能力を知っている人は五大幹部、そして私。6人だけ。

ポートマフィアの中ではトップシークレットなのだ。

だとしたら最も怪しいのは………


太宰治…?

彼なら首領の座を奪い取り、この横浜のトップになるというのは安易に想像が出来る。

いや、でも

彼のあの無邪気な笑顔だとか

まだ少年らしさの残る怯えた表情

そんな人が首領の座を奪うなんて…

そんな残酷な事があるのだろうか。


***


もし首領が亡くなったとしたら次にのし上がるのは誰だろう。

実力があって仕事ができるというのは絶対条件だ。
間近で仕事を見ている者…
矢張り五大幹部の中の誰かなのだろうか。

いや、でも彼らは首領に絶対の忠誠を誓っている。

考えれば考えるほど分からなくなっていく。


コンコン

誰だ…今はもう夜中の二時をまわっている。
こんな遅くに…

「はい、どうぞ」

「よお、元気にしてるかァ?」
 
「中也さん!びっくりしましたよ…こんな時間に来るんですもの。」

「わりいな、ちょっと顔見たくなってな。」

「それは全然構わないんですが…お茶でも飲んでいってください。あ、中也さんは珈琲の方がお好きでしたよね、今淹れます」

「あ、や、今はいいわ。ちょっと話したらすぐ帰ろうと思ってたしな」

「そう言わずに…おかけになってくださいよ〜」

「じゃあ…お言葉に甘えさせていただきます」

「はい、どうぞ。珈琲です」

「おお、サンキューな。

ところで今、Aは何の案件やってんだ?ミミックの方は俺達に任せるって首領から連絡があったし…」

「嗚呼…うん〜……ちょっと言えない仕事なんですよね〜」

「そうなんか…まァ、なんか手伝うことあったら俺にいつでも相談しろよ?」

「そう言ってくれて、私も心強いです!」

彼になら…そう思った。

「もし…首領が亡くなったとしたら次は誰になるんでしょうね…」

「そんなの一人しかいねぇだろ。」

「ですよね…やっぱり太宰…」

「Aだよ。」


え、私…?

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作者名:あさ x他1人 | 作成日時:2019年12月31日 23時

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