募る話に花が咲く ページ13
コンコンッ！
「し、失礼しやす！！つ、月乃兎花魁！！」
『そんなに慌てて何事だい？またおでん様が何かしでかしたのでありんすか？』
「お、親分達がッ……花の都を除く各郷の親分衆が揃って一等の座敷に！！月乃兎花魁お一人で来るようにとご所望で！！」
『本当でありんすか！？直ぐに向かうと伝えなっせ！！それとここ一番の酒と飯を出しなっせ！！』
「な、何故そんなに嬉しそうに！？ヤクザの親分衆ですぜ！？」
『いいから！！心配せずに用意しなっせ！！』
あれから1度も顔を合わせていない兄御、姉御がわざわざ九里に足を運んでくれたんだ！！
野宿の日々には影ながら支えてくれていたこともよくよく覚えている……面と向かって会えることがこんなに早く叶うとは！！
ガラッ……
『お待たせ致しんした、九里が遊郭“氷花”の花魁を張っておりんす……あっしが月乃兎でございんす』
「お前さん一人か？」
『はいな、そのように申しつかっておりんした故』
「………ならお行儀なんざ要らねぇな！！達者にしてやしたかお嬢！！」
「お嬢の花魁道中、息を飲むほど見事だったよ！！あちきの若い頃を見てるようだったさ！！」
「どの口がほざいてやがる！！お嬢の方がよっぽど器量良しだってんだ！！なぁお嬢！！」
『ッ……本にッ……本に懐かしい顔ぶれでありんす！！姉御〜！！兄御〜！！』
ギュッ！！
『ずっと会いとうございんした！！思い出しては涙を堪えておりんした！！うわぁぁぁ〜ん！！』
「グスッ……およしお嬢！！女が泣くのは男を転がす時だけさ！！」
「ズズッ……何とも勿体ねぇ言葉だ！！」
「ああッ……たらふく飯を食った後に便意をもよおすほどに勿体ねぇ！！」
「今日はわっしらしか居ねぇんだ！！今この一時は“月乃兎”じゃなくわっしらのお嬢に戻ってくんな！！」
『ヘヘッ……ありがとうございんす！！それならあの頃のようにあっしの三味線を聴いておくんなんし！！』
べべん！
「懐かしいねぇ……この曲、お嬢が毎日弾いていた」
「親分も痛く気に入って、この曲を……お嬢の弾く“花月見”を聴きながら大吟醸をかっくらってたのが昨日のよう！！」
月夜に桜が舞う中で、父様が大吟醸を煽るその横で、拙い手つきであっしは三味線を弾いていた
それがどんな出来栄えであっても……父様は決まって“日に日に腕が上がってやがる”と顔を緩めてあっしの頭を撫でていた
父様……早く会いとうございんす……
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竜胆 - しゃらん。さん» どもー！イゾウ落ちの小説も良いですね！ww 夢主が金平糖好きって…また可愛いww (2023年2月4日 10時) (
レス) id: 32faf97f7c (このIDを非表示/違反報告)
しゃらん。(プロフ) - 西鶴.藍琉@FFX.Loveさん» わぁー！コメありがとうございます✨️あの人が落とされない日が来るのでしょうか( ˙-˙)笑 (2023年2月3日 18時) (レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
西鶴.藍琉@FFX.Love(プロフ) - 藍琉です〜。いやもう月乃兎太夫（主ちゃん）の相変わらずの花詠みの上げて落とすが最高です🤣 (2023年2月1日 13時) (レス) @page11 id: 8974fd4ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2023年1月28日 15時
