花の蕾は夢を見る ページ2
一つ、お伽を話しんしょう
ここはワノ国、他国を知らぬ閉ざされた国
遡ること二十年前……この国の名君は落命なされた
この国を想い……この国を愛し……未来に“開国”を託して笑みを浮かべて、煮えたぎる油の中、頭蓋を撃ち抜かれて亡くなりんした
一つ、お伽を話しんしょう
これはこの国で最も熱く、煮えたぎった男の話
その男を主君とし、忠義を誓った男の話
幼き日より戯れて、共に主君を信じ抜き
明ける日を待つ女の話……
べべん！べんべんべん！
ーーーーーーーーー……
『父様！如何でありんしょう？』
「おう、腕を上げたなA、そいつぁ俺が1番好きな曲だ」
『母様がそう言っていたので一等お稽古致しんした！いつの日かのお座敷で披露しても悪くはないでありんしょう？』
「座敷ぃ！？俺ぁお前を座敷に上げる気はねぇぞA！！」
『ぇえ〜！？あっしはワノ国一番の芸妓になるためにお稽古してるんでありんす！！』
「お前は俺が俺の花をどこぞの野郎に易々と見せると思ってんのかァ！？」
『それでもあっしの夢でありんす！！父様が決めることではありんせん！！』
「〜ッ！！勝手にしやがれ！！どうしてもって言うならてめぇにこの家の敷居は跨がせねぇからなぁ！！」
『〜ッ！！なら出てってやりんしょう！！クソ親父の言う通りあっしの勝手にしてやるさ！！』
バンッ！！
「はぁ……あんた？気持ちは分かるけどねぇ」
「うるせぇ！！塩でも撒いとけ！！」
「“花のヒョウ五郎”の名が廃るよ？」
「自分の娘を座敷に上げりゃそれこそ男の名折れよ！！嫌でもこれから器量がどんどん良くなって行きやがるってぇのに今から余計な虫を寄り付かせてたまるかってんだ！！」
「まったく……ワノ国一の大親分とまで呼ばれるあんたが自分の娘を籠の鳥にするつもりかい？」
「そこまで言ってねぇだろ！！今の話だ！！Aにはまだ早ぇだろうが！！」
「だったらそう言っておやりよ、Aはまだ4つだよ？」
いつも父様が褒めてくれる三味線、それを多くの人に聴いて欲しいと思い目指しているのが“芸妓”でありんす
だと言うのに！！理由も聞かずにあの言い草！！
『グスッ……あっしの三味線……好きだと言ったでありんしょう……』
「おや？お嬢じゃないかい？」
『グスッ……お蝶の姉御……』
「……何処の輩に泣かされた？あちきがケジメ付けさせてやろうじゃないか」
『……クソ親父と喧嘩しただけでありんす』
．
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竜胆 - しゃらん。さん» どもー！イゾウ落ちの小説も良いですね！ww 夢主が金平糖好きって…また可愛いww (2023年2月4日 10時) (
レス) id: 32faf97f7c (このIDを非表示/違反報告)
しゃらん。(プロフ) - 西鶴.藍琉@FFX.Loveさん» わぁー！コメありがとうございます✨️あの人が落とされない日が来るのでしょうか( ˙-˙)笑 (2023年2月3日 18時) (レス) id: b3a781ffa5 (このIDを非表示/違反報告)
西鶴.藍琉@FFX.Love(プロフ) - 藍琉です〜。いやもう月乃兎太夫（主ちゃん）の相変わらずの花詠みの上げて落とすが最高です🤣 (2023年2月1日 13時) (レス) @page11 id: 8974fd4ba8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃらん。 | 作者ホームページ：http://.uranai.riane.jarrck
作成日時：2023年1月28日 15時
