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いくつかのドラマルーム、ボーカルスタジオを通り越し、ここはダンスルームの隣、ピアノ室は他の部屋に比べて狭い。
といってもグランドピアノ1台を置いて充分、余裕が残る広さではあるが。
ドアを開ければ目の前が明るくなる。
向かいにある大きめの窓から光が入って来るのだ。
持って来た楽譜を開いて椅子に腰かければ、
ブルクミュラーの練習曲を弾き始める。
曲を幾度か変え、手に馴染んで来た頃に歌詞をのせて歌い出す。
上手くなくともここは防音室、
他人に聴かれる心配もしなくて良いだろう。
1曲が終わる。
拍手の音が後ろに聞こえる。
誰…？なんて振り向けば、少年が1人。
これは予想外。
彼はハッとして
「すみません」
と咄嗟に謝る。
「だけど声の伸びや混ざるようなピアノの音、聴き入っちゃって」
その少年、天はそう続けた。
声や演奏を褒められたことなんてほぼほぼなかった、いや、初めてだ。
私は単純だから嬉しいなんて思ってしまう。
「ありがとう。だけどいつから居たの…？」
なんて尋ねれば
「さっきの曲の途中から。
隣で練習しようと思ってたんだ。
だけど間違えてここに入ったらAを見つけた」
隣、ダンスルームだっけ。
本当にずっと練習してるんだろうな。
彼が手に持っているペットボトルには半分ほどの水しか残っていなかった。
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汐見(プロフ) - 結夏さん» 素敵な感想ありがとうございます。励みになります。これからもそう思っていただける作品になったらと思っております。同時に更新、大変お待たせをいたしました。これからもこの作品並びに不束者ですが汐見をよろしくお願いします。 (2019年11月27日 20時) (
レス) id: ff314090b7 (このIDを非表示/違反報告)
結夏 - とても面白く、お話の世界観に引き込まれ時間も忘れて読み進めてしまいました。更新お待ちしております。 (2019年6月30日 14時) (レス) id: 1273e93dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐見 | 作成日時：2018年11月16日 19時
