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「A…？」
彼は充分をとっくに満たした沈黙の後、訝しげに訪ねて来た。
私はなぜか声を出さずにうんと頷くジェスチャーだけをする。
「天…」
天だ。
紛れもなく彼は九条天なのである。
超人気アイドルの九条天、いや私の友人の天は私のことを忘れてなんていなかったのだ。
私がそれだけしか言えなかったのはたぶん彼の前で日本語を喋るのが憚られたからだろう。
驚いた表情の後に彼は
「和泉一織、ボクも陸と同じものを」
と注文して七瀬さんなのか陸なのかたぶんフルネームが七瀬陸であろう人の隣に座った。
何語で言おうか迷った末に日本語で
「キミも注文してこっち来なよ」
とジェスチャー付きで言われたので、一織くんに2人と同じものを頼んでから天の向かいに座った。
「えっと、天に…、九条さんの知り合いなんですか？」
七瀬陸さんは私に訪ねて来た。
さっきから天にぃと呼んでいるのでもしかしたら天の言っていた弟さんではないだろうかなんて考える。
「はい、まあ」
友人ですと言いたかったが短くそこで止めた。
「ほんとにキミはAなんだよね…？」
天は未だ信じられないというようにもう一度聞き返した。
「えっと、うん、はい、そう、です？」
私がたどたどしい片言の疑問形になったのはあいにく天とのお喋りに日本語を使い慣れてないからということにしておこう。
本当はまた会えるなんて絶対ないと思っていたから。
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汐見(プロフ) - 結夏さん» 素敵な感想ありがとうございます。励みになります。これからもそう思っていただける作品になったらと思っております。同時に更新、大変お待たせをいたしました。これからもこの作品並びに不束者ですが汐見をよろしくお願いします。 (2019年11月27日 20時) (
レス) id: ff314090b7 (このIDを非表示/違反報告)
結夏 - とても面白く、お話の世界観に引き込まれ時間も忘れて読み進めてしまいました。更新お待ちしております。 (2019年6月30日 14時) (レス) id: 1273e93dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐見 | 作成日時：2018年11月16日 19時
