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「ドーナツさ、天気も良いし、
もし良かったら外で食べようよ」
あと残りのスープを何口かで飲み終わりそうな時に天は言った。
時計を見ればおやつの時間まではもう少しあった。
「いいと思う。こんなに素敵な天気だし」
明るいトーンで私はそう返す。
彼が店員にドーナッツを包んでもらうように頼んでいる間に私は最後の数口を飲み干した。
ドーナッツを受け取って店を後にする。
私たちの思惑は同じだったようで2人で公園を目指す。
公園といえばこの国では広大な芝生に木がたくさん生えていてその広い土地の一角に日本のような子ども用の遊具だとか砂場があるのだ。
田舎に行けば山まで街中であれば道路が園内を横切っているようなところもある。
「こっち、ボクについてきて」
パッと手をひかれた。
公園に着いたときだ。
彼には考えがあるらしく迷いなく道を進む。
今日はずっと彼にリードされっぱなしで本物のデートみたいだな、なんて。
私に馴染みのない、いつもは行かない方の道に入る。
並木道をしばらく進めば急に開けた場所に出た。
「わあ･･･」
私がそう感嘆の声を吐いたのはこの眺めのせいである。
「綺麗でしょ？」
彼はそう言ってまた笑顔を向けるのだ。
「うん、綺麗･･･」
綺麗という言葉では表せないかもしれないがとても綺麗だとそう思った。
足元にはたくさんの小さな紫の花が咲いている。
名前は知らないがジャカランダのような色の可愛らしい花だ。
その花は辺り一帯を満たしていた。
その続きのように小さいながらも立派なひまわりの黄色が香っている。
そのまま目を上げればこの街の中心、近代的なビル群がそびえ立つ。
雲ひとつない美しい青い空から午後独特の雰囲気を醸した金色の太陽光がそれら全てを染め上げていた。
天の桜色の髪も光を受けて希少な宝石であるモルガナイトのような甘く気品漂うピンクに見える。
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汐見(プロフ) - 結夏さん» 素敵な感想ありがとうございます。励みになります。これからもそう思っていただける作品になったらと思っております。同時に更新、大変お待たせをいたしました。これからもこの作品並びに不束者ですが汐見をよろしくお願いします。 (2019年11月27日 20時) (
レス) id: ff314090b7 (このIDを非表示/違反報告)
結夏 - とても面白く、お話の世界観に引き込まれ時間も忘れて読み進めてしまいました。更新お待ちしております。 (2019年6月30日 14時) (レス) id: 1273e93dd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐見 | 作成日時：2018年11月16日 19時
