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だっておれたちは、数少ない同期の中でまったく同じ日に入社して、その中で踏ん張り続けて、奇跡的に同じグループとしてデビューした運命みたいな関係だ。
おれがいつだかそうやってい言ったとき、恥ずかしくなってごまかそうとしたおれの言葉に、しっかりとうなずいてくれたのもAだったのに。
掴んだ腕を離して、小さな手をぎゅっと強く握る。
「Aは、ロボットじゃない。」
「そうですね。」
「Aはおれたちの大切なメンバーで、おれたちにはないのにAだけああやって制限がつけられるのはおかしい。」
「仕方ないんですよ。私だけおんなのこだから。」
「ちがうよ。そんなの関係ないよ。それに、泣いちゃダメなんて…これからきれいだと思った瞬間も、大切だと思った瞬間も、それをぐっとこらえないといけないなんておかしいよ。」
あの日出会って、Aはたまに男子の練習に合流することがあったからその時を楽しみにしたりして、ふたりで居残りした帰りにこっそりコンビニに寄ったりして、きちんと関係を築いてきたと思う。
だからAが意外と泣き虫だってことも俺は知っていて、そうだ、オーディションで正式にデビューが決まったとき、一人泣かずにほほ笑んでいたAを見て気づくべきだったんだ。
自分はなんてのんきな奴なんだろう。
一緒にデビューできたらいいという到底かなわない願いが奇跡みたいに叶ってしまったから、きっと浮かれていたんだ。
到底叶わないはずのものを叶えるには、それだけの代償が必要なはずなのに。
じんわりと、目頭が熱くなる。
おれなんかより、Aの方がきっと泣きたいはずだろう。
「オッパ、私ね、大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃないよ…」
「ううん、大丈夫。そうやって私の代わりに怒ったり泣いたりしてくれる人がいるなら、大丈夫。」
リーダーとして呼ばれたおれは、それらしいことを全くできなかった。あのときおれが必死になって訴えれば、今この子はこんなことを言わなくてすんだんだろうか。
うつむいたおれの背をさする手が本当に暖かくて小さくて、どうにも自分が情けなく思えてしまった。
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ぺぺろにぴざ(プロフ) - 葉華さん» ありがとうございます😢本当に拙い文章だとは思いますが、自分なりの解釈でメンバーごとに言葉遣いなど気をつけているつもりなので、そう言っていただけてうれしいです💚 (11月25日 23時) (
レス) @page47 id: e1d9a6ec66 (このIDを非表示/違反報告)
葉華(プロフ) - ストーリーはもちろん、情景描写やメンバーの口調などもすごく丁寧に描写されていて思わず時間を忘れて見入ってしまいました…!素敵な作品をありがとうございます。応援しています!💖 (11月25日 0時) (
レス) id: c363bf9ae5 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぺろにぴざ(プロフ) - ににさん» ありがとうございます!少なすぎてつい自分で書いてしまいました…がんばります💪🏻 (11月9日 7時) (
レス) id: e1d9a6ec66 (このIDを非表示/違反報告)
にに - はじめまして!!Wishのお話少ないのでこのお話に出会えて本当に嬉しいです!これからも応援してます✨ (11月8日 15時) (
レス) id: 146481154f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぺぺろにぴざ | 作成日時:2025年11月8日 0時


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