-星天の雷鳴- ページ4
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月が明るく森を照らす。
Aは静かに目を閉じ呼吸を整え意識を影に集中させる。
「……(今、近くにいる鬼はざっと、10前後…。鬼じゃない気配は今はもう10もない。あんなに居たのに…。……善良な鬼、かぁ。でもここにいる鬼は理性も無い鬼ばかり。しかも人を食った鬼。そんなの本当にいるのかな。)」
__ドォォォオン!!!
「ッ?!びっっっくりしたぁ!!」
寿命縮んだァ…!
突如近くで轟音が鳴り響き地面が揺れる。
精神を影に集中していたため突然の轟音に心臓がバクバクバクと異常なまでに驚いて鼓動が早くなる。
鼓膜生きてる?
雷でも落ちた?
……でも、
雷雲なんてどこにもない、晴れた夜。
Aは空を見上げる。
広がるのは満点の星空。
おかしい。
怪しい術を使う鬼がいるのか?
あの手鬼みたいな?
ゲェ、と露骨なまでに顔を顰めるA。
いや。
もしかしたら俺と同じように最終選別を受けに来た人の技かもしれない。
「見に、行くか…」
Aは気配を影に紛れさせゆらりと溶け影から影へと音のした方へと移動し木の影からその人物をそっと覗き込む。
余談だがこの技は
洞窟の異能の鬼から編み出した移動法、だとか。
「(……いた。あの人…?綺麗な髪の色…異国の人なのかな?)」
そこに居たのは雷を纏い刀を鞘に納めている金髪の少年だった。初めて見たその髪色は月の光を反射しキラキラと輝いて見えた。
よく見れば鼻提灯がぷよぷよと浮かんでいる。
……え"。
寝て…る、?
「フガッ、…ッギャーーー!!!死んでるゥウゥウ!!!また急に死んでるよぉ!!何なのぉ!もうやだ!!」
その綺麗な金髪は足元に転がる自分が斬った鬼の頸に驚き飛び上がりおろろんおろろんと大粒の涙を零しギャンギャンと一人で暴れている。
「……あは、」
見なかったことにしよう。
奇怪な金髪くんだ。
くるりと踵を返して
何事もなかったかのように帰ろうとした時。
突然後ろから何かに抱きつかれ崩れ落ちそうになるのを踏ん張って耐える。
「ぎゃっ、、!!」
鬼がまだ居たのか?!
くそ!油断してた!
刀…ッ!
「キ、キミだよね!?俺を助けてくれたのは!!ありがとぉおお!!この恩は一生忘れないよぉおおーー〜ッ!!」
「ち、ちがっ…!離して、離してくださ…って力強ォ!!この野郎!離せコラァーーー!!あ"ーーー!鼻水きったな!おい!!」
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あ - パースワード教えていただければ嬉しいです (2月29日 19時) (レス) @page32 id: 9e43a05317 (このIDを非表示/違反報告)
こはく(プロフ) - ずっと前から見ていた作品でアカウント変えてからやっと見つけました。パスワードを教えていただけたら嬉しいです (2月8日 8時) (レス) id: 094a65f89f (このIDを非表示/違反報告)
あい - 一気に見さて頂きました。おもしろかったので続きが読みたいのでパスワードを教えていただけたら嬉しいです。 (1月25日 19時) (レス) @page29 id: b97ed817a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴえんはけつの穴 - かきなおし途中でもいいので読みたいです…この続き全部パスワード管理で寂しいです…気長に待ってます! (10月30日 17時) (レス) @page31 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
きょむ - 前に無限列車編の途中まで読ませてもらってた者です!ほんと大好きな作品です🌼めちゃめちゃ面白かったのでまたもう1回読みたい…🥺急かすつもりは無いのでいつか読めたらいいな〜ぐらいの気持ちで待ってます!のん。さん応援してます! (9月13日 12時) (レス) id: b566dd52f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のん。 | 作成日時:2019年9月22日 8時