-新しい宝物- ページ29
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日が傾き夜が顔を出そうとしている。
最終選別の時間まであと少し。
出発の時間は刻一刻と迫っている。
夕方のこの独特な哀愁は何なんだろう。
心がキュ、と切なくなる。
シワのない着物に袖を通し
キュ、と帯を結び刀を帯に通す。
「＿＿じゃあ、俺 行ってきます。影千夜さん。」
「なぁ坊主。今日は、満喫できたか。」
「えっ、…ふはっ、珍しいですね影千夜さん。普段そういうの絶対聞かないじゃないですか…ええ。満喫出来ました。あーっ！俺が留守にするから寂しくなりました？なぁーんて！」
Aはいつもと様子の違う影千夜にパチクリと瞬きを繰り返した後、小さく吹き出しながら揶揄うように後ろ手に笑みを浮かべる。
「…寝言は寝てから言えA。」
「あ、いつもの影千夜さんだ。…いや！違う！俺の名前呼んでる！いつもは�猖啓膈瓩覆里法�！」
「�猖啓膈瓠�お前に渡すもんがある。」
「渡す、もの？」
きょとんとAは影千夜を見詰める。
影千夜が懐から取り出したのは、かつてAがここに来た時に着ていた柘榴色の赤い着物。それを綺麗に洗って修繕し、新たに縫い直した襟巻き。
「うわーっ…！、どうしたんですかこれ！なっつかしい…えっ、まさか影千夜さんが？」
「慣れねぇ事はするもんじゃねぇよなぁ……」
ガシガシと頭を書くその手は針で何度も刺したのか包帯が巻かれていた。
俺のために？
一生懸命、作ってくれたの...？
それよりも、こんな古いの
大事に持ってくれていたことに驚いた。
Aは、ぼふん！と影千夜に飛び込む。
「…ありがとう、ございます…っ、！俺、一生大事にします！宝物です！！」
「っ、ほら早く行ってこい！」
大きな背中。
俺もいつかこんな風に
人を安心させられるような人になりたい。
背中を照れ隠しから少し乱暴に叩く影千夜。
名残惜しそうにAは影千夜から離れ襟巻きを首に巻き�犢圓辰討�ます�瓩伐个里弔い振�い目で告げ鬼槍ヶ峰を後にした。
影千夜の手の中にはAの
一等の大切なもの…両親の形見が入った小袋。
『俺は必ずここに帰ってきます。だから俺の形見は影千夜さんが持っててください。そもそも、鬼除けの御守りなんて試験に持って行ったらなんかズルしてるみたいじゃないですか。』
「�爐い辰討蕕辰靴磴き瓠�どうか武運長久で。」
影千夜は小さく木の葉の音に
かき消されるほどの声でそう告げた。
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はな - とても素晴らしい作品でドキドキハラハラしながら読ませてもらっています！続編を読みたいのですがパスワード教えてもらえたら嬉しいです！！ (2022年12月17日 1時) (
レス) id: 91f9c89261 (このIDを非表示/違反報告)
らむね(プロフ) - 続き読みたいです！！パスワード教えてくれませんか？ (2022年4月30日 15時) (レス) id: 5ec7e35342 (このIDを非表示/違反報告)
皐 - とても素晴らしい作品でした！続きも読みたいので、パスワード教えてください (2022年4月27日 18時) (レス) id: 5f014d6a1f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - 胡蝶3姉妹推しです!さん» 胡蝶3姉妹推しです!さん はじめまして！恐れ多い御言葉大変恐縮です...！これからも書き殴っていきますので何卒お付き合い頂けますと幸いです。コメントありがとうございました！ (2020年7月31日 9時) (レス) id: 026c0ddca4 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶3姉妹推しです!(プロフ) - わぁぁぁ私の作品が塵以下だったとしたら貴方の作品は神より凄い！ (2020年7月31日 6時) (レス) id: 7688185c2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のん。 | 作成日時：2019年9月1日 23時
