♯6 そんなんじゃない ページ6
.
ｷｮｵｺ「…あっ！
二宮くんだ！」
ｷｮｵｺの言葉に一瞬……ほんの一瞬だけ心臓の音が波打つ自分がいた
そんな自分が嫌になる
ｷｮｵｺ「相変わらず遅刻常習犯だねぇー
Aの幼なじみ♪」
幼なじみ…
今は、そう呼べるのかも分からない関係だけど…
今朝も無視するし…
…っていうか、最後に話したのいつだっけ？
ﾄﾓ「そういえば、二宮くんもサッカー部だっけ？」
「ユーレイだけどね。」
ｷｮｵｺ「えっもう？？まだ入学して一ヶ月だよ」
「…確か、入部した次の日からサボってたよ。」
ｷｮｵｺ「マジ！？ さっすがぁ」
って、よくわからない反応をするｷｮｵｺ。
そんなｷｮｵｺの視線の先を
ダルそうに、腰まで下げたズボンを煩わしそうにして歩いてるアイツを見ながら
最後にしゃべったのあの
会話というには及ばないほどの会話を思い出した
．
入学式の次の日、帰りの靴箱で…偶然会ったんだ
．
「あれ…カズも今帰り？」
．
二宮和也「……見りゃ分かんだろ…」
．
．
．
．
「……サッカー部入ったんでしょう？
今日から練習じゃないの？」
．
．
．
和「………ダリぃ」
．
．
．
．
「もうサボり！？早過ぎるよ。
案外行ってみたら楽しいかもよ。」
．
．
．
．
和「あ？
……いいんだよ別に…俺の好きなようにしてんだし。」
．
．
．
「ダメだよ！！高校は中学とは違うんだから…
今までみたいにサボりまくってたら
和「あーはいはい。
分かってますよ。」
．
「分かってないよ！！」
．
．
．
和也「………
あのさぁ そーいうの、マジうぜえから。」
．
．
……多分これが最後の会話。
…出来ればあんまり思い出したくなかった、
私の嫌な記憶ベスト5に入るくらいの、会話。
ｷｮｵｺ「…でもさぁ…家隣なんでしょ？
いいなぁ〜幼なじみとの恋って憧れるよねぇー」
「だから、そんなんじゃないって。」
…隣って言っても、カズはあんまり家に帰って来ない。
たまにフラッと現れるだけ。
…今朝みたいに。
別に気にすることなんかじゃない。
今までだってそれで普通に生活してきたんだし…
…それなのに
それがちょっと寂しいなんて思ってしまう私は
ほんとにちょっと
どうかしてる…。
.
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作者名：和
| 作成日時：2012年11月12日 21時
