◎ ページ6
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「あ、レモンだ」
ジェヒョンくんがわたあめをひと口食べて、感動したように目を輝かせて言う。
「バナナだと思ったんだけどなあ」
「絶対当てる気なかったじゃん
Aのは？何味？」
そう言われてわたあめを頬張ると、淡い夏の味が口いっぱいに広がった。
「ラムネだ」
青といえばラムネというし、なるほどこれは納得のいく味だ。
「ひと口ちょうだい」
するとジェヒョンくんは当たり前のように私のわたあめにかぶりついて、それも結構な量をぶんどっていってしまった。
「絶対ひと口じゃない！」
「あはは、ごめんて
ほんとだ、ラムネ美味いね」
ジェヒョンくんは目が無くなるような笑顔で笑って、自分のわたあめを私のほうに向けてきた。
「食べる？」
全部計算してやってるのかな。
彼氏みたいに間接キスしちゃうことも。
私は眉根を寄せて、ジェヒョンくんのわたあめにかじりつく。
「ふは、眉間にシワよってる
ごめんね
怒んないで」
もぐもぐと口を動かす私の頭を、ジェヒョンくんがぽんぽんと撫でる。
何これ、子どもみたい。
口いっぱいに広がっていく甘酸っぱいレモンの味に思わず顔をしかめる。
「あ、花火始まる」
ジェヒョンくんの目線を追って前方に目を向けると、これから打ち上げられる花火を今か今かと待つ人の群れで、地面が見えなくなっていた。
見るだけで気分が悪い。
昔から人の多いところが苦手で、割と都会に住んでいるくせにセンター街などにも怖気づいてしまう。
でもまあせっかくの花火大会だし、ここは空気を読んで私が我慢するべきなんだろう。
「来て」
するとジェヒョンくんはおもむろに私の手を引いて、人混みとは反対の方向へ歩きだす。
「どこ行くの？」
「花火が見えるところ
人多いとこ無理でしょ」
私のことを何でも知っているかのようにそう言うジェヒョンくんの横顔は、屋台の光に照らされてとても綺麗で、思わず魅入ってしまうほどだった。
私が人混みが苦手なこと、知ってるんだね。
ねえ、ジェヒョンくん。
私まだ、もう4年も経ったのにこんなにあなたのこと好きなんだ。
あなたを想うと、涙が出ちゃうくらいに。
「足元気をつけて」
しばらく歩き続けていると、待ち合わせ場所だった神社の裏手に来た。
人は全くおらず、その代わりに眼前には花火がよく見えそうな景色が広がっている。
※
無事に滑り止めの大学ですが合格したので、更新を再開します。
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蜜柑(プロフ) - 無理なさらないペースでも大丈夫なので、更新、楽しみに待っています！！ (2021年7月5日 21時) (
レス) id: b6ce53bd59 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - すぐるさん» 設定は将太郎の方が年上で、シチュエーションは仕事から帰ってきた自分を将太郎が癒すみたいな感じですかね？笑 (2020年12月23日 16時) (レス) id: 60a403a386 (このIDを非表示/違反報告)
すぐる(プロフ) - ヒカリさん» 書いてほしいシチュエーションや設定などはありますか？将太郎は加入して日が浅くまだキャラが上手く掴めていないので解釈違いがあるかもしれません、すみません(><) (2020年12月23日 7時) (レス) id: dbff4f3590 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカリ(プロフ) - 将太郎の物語を書いて欲しいです！ (2020年11月25日 22時) (レス) id: 60a403a386 (このIDを非表示/違反報告)
すぐる(プロフ) - ぴっぴ。さん» はじめまして、お読みいただきありがとうございます。お待たせしてしまい申し訳ありません。待ってくださってありがとうございます(><)これからも楽しんでいただけるよう頑張ります。ありがとうございます(><) (2020年11月22日 16時) (レス) id: dbff4f3590 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぐる | 作成日時：2020年11月20日 22時
