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幼馴染7 ページ7

-次の日-




部活なんてやっていない私は、普通の時刻に家を出た。



「さっむ!」



もう冬は終わったとと言うのに、
吐きだした息は白へと色づき、消えて行く。

マフラーに口元を埋めて歩みを進めた。


学校に行くには精市の家の前を通るわけだけど、
精市には朝練があるし、かち会うことはない。




「Aちゃん」



ん?と振りむいてみると、昨日ぶりのおばさんがいた。

見ればかなり薄着のようで、
どうしたんだろう?と首をかしげた。



「おはようございます
どうかしたんですか?」


「おはよう
それがね、精市ったらお弁当忘れてるのよ」



困ったように眉を垂れ下げるおばさん。

そんな姿も綺麗っす!



「それなら、私が届けますよ
どうせ精市の学校の前通りますし」



私の学校は精市の学校よりも遠くにある。

弁当届けるくらい、たやすいこと。



「あら、ほんと?
じゃあ、お願いしちゃおうかしら」



フフッと微笑むおばさんから、
弁当を受け取り、再び歩みを進めた。



途中、アイツへの嫌がらせで、
弁当をぐちゃぐちゃにしてやろうかとも思った。

でも、おばさんが一生懸命作ったんだ、
できるはずもない。


そんなこんなでつまみ食いをこらえながら歩いていると、
立海大付属中学校、という文字が見えた。




テニスコートってどこだろう……。


キョロキョロしながら歩いていると、
周りからの視線に気づいた。



なんかすごい見られてるんですけど!

他校生だから、珍しいのかなぁ。



いたたまれなくなった私はすぐに走り去り、
天性勘の良さで、なんとかテニスコートにたどり着いた。





「うわぁ」



何、この女子の大群。




「きゃぁあ!こっち向いてぇえ」

「頑張ってぇえ」




甲高い黄色い歓声。


どこからあんな声出してるんだろう。

とてもじゃないが、私には無理だ。


私の学校ではこんな光景滅多にない。

興味心身に眺めていると、アイツの声が聞こえてきた。



「全員集合!!」



こんな歓声の中だ、相当声を張り上げてるんだろう。


想像できないな、熱い精市なんて。

いや、できたとしても笑ってしまう。




「あ、」


弁当、忘れてた。

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桃花 - ハゲた幸村を想像して爆笑しましたwww (2022年9月26日 15時) (レス) @page21 id: 8598ef157b (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - SHINOさんの作品で面白い系は珍しいですね!ヤバイです、めっちゃ面白かったです。これからも面白い系のもの書いてほしいです。(もちろん切恋も大好きです、応援してます) (2021年2月14日 20時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃菊(プロフ) - すごい面白かった! (2018年6月16日 11時) (レス) id: 6763eabd01 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ(プロフ) - とても面白かったです!SHINO様の作品もっと読みたくなりました!とてもいいお話、ありがとうございました´`* (2018年2月20日 19時) (レス) id: 306c2b1b2f (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 雛罌粟さん» ありがとうございますっ!読んだ瞬間嬉しくてにやけてしまいました。笑 ひゃっはーっ!ってなりました!笑 大好きだなんて照れますね。笑笑 私も読者様愛してます!← (2015年10月19日 8時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年3月2日 22時

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