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「リョーマ、遅い!」




遅れるなって言ったのは誰よ、と私は子供のように頬をふくらませた。




「子供が生まれそうな妊婦さんが……」


「嘘でしょ?」




ばればれの言い訳を並べるリョーマは、中学生の時から変わらない。


だけど、あの頃は私とあまり変わらなかった背は、今では頭一個分違う。


昔に浸ってみると、どうしようもない懐かしさが心に浮かんだ。





「ちぇっ、ばれたか」


「当たり前!」



そんな会話をしながら、足はショッピングモールへと向かった。




ぎゅっと握る、骨っぽいこの手が好き。


さりげなく道路側を歩いてくれる優しさが好き。


焦らすような、この声が好き。




リョーマの隣を歩くだけで、満たされた。







「ね!この毛虫のストラップ、可愛くない?」




ゲームセンターの一角。


目の前にあるのに届かないそれを、私は指差した。



すごくリアルなそれは、今にも動きだしそうで、とてつもなく可愛かった。




「前から思ってたけどさ、アンタの趣味……」



隣で若干引き気味になるリョーマ。


この魅力がわからないとは、まだまだだなぁ、リョーマも。




「もういいよ」




たいして気にしてなかったけど、なんだか悔しくて、そう言い返した。




……あれ?


気づけば繋いでいた手は離れていて、呆れられたかな、と振り向いてみる。






「フフッ」




思わず、笑みが零れた。


めんどくさそうな表情を浮かべるリョーマは、ユーホーキャッチャーの前にしゃがみこんで、ある一点を見つめていた。



可愛いな、なんて。

そう言ったら怒られるだろうか。


でも、不器用な優しさが、ツボだったりする。



リョーマの見つめる先には、私が可愛いと言った毛虫のストラップ。



悪態を吐いても、結局取ってくれるんだ。









.

3不器用→←1胸躍る



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筍(タケノコ) - すごく泣きました。特に、仁王くんのやつ泣いた。すごく切なくて、この作品好きです。 (2018年1月1日 14時) (レス) id: 65608ed6db (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - りりこさん» ありがとうございます。今読み返すと至らない点が多々ありますが、読んでくださった方に感動を届けられたならよかったです。未熟な私の作品に涙を流してくださってありがとうございます。精一杯頑張らせていただきます。 (2017年4月2日 0時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
りりこ - 優しいキミに。すごい感動しました。こんなに泣いた作品はいままでありません。これからも頑張ってください。 (2017年3月27日 20時) (レス) id: 4ca6ca6032 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 涼さん» こんなにも暖かいお言葉をこんなにもたくさん、本当にありがとうございます。私にとって本当に大切な言葉となりました。また、いらしてください。本当にありがとうございました。 (2017年2月25日 17時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 涼さん» テニプリを汚してはいけない、キャラクターを嫌いにさせるようなことはしてはいけない、と常に思いながら書いています。そして私の作品でもっとテニプリを好きになってもらえたら、という目標を抱いています。だからこそ、言葉にならないほどに嬉しいです。 (2017年2月25日 17時) (レス) id: cc409903fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SHINO | 作成日時:2014年2月8日 20時

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