#No! No! (ページ24)

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24. ページ24

ふと視線を感じで顔を上げると
二階堂さんがジッと私を見ていた

「え？
　どうしました？
　痛いです？」

『いや、真剣だなと思って見てた。』

「え？
　あ……ごめんなさい。
　私、お話しする余裕なくて、、、
　TVでも見ててくださいね？」

人にする技術に自信もなくて慣れてもいない私は雑談しながら作業をする余裕なんてなくて
すっかり無言になってしまっていた

『いや、人が真剣に何かするの見てるのって好きなんだよね。
　なんか良くない？』

「え？
　もしかしてずっと見てました？」

『うん。
　それに気付かないくらいAさん真剣だったよね。』

そう言われて
ずっと見られていたのかと思うと急に恥ずかしくなってきた

「や、ちょっと緊張するんで見ないでください……
　失敗しちゃうかも。」

『もうほとんど終わってるし失敗なんてしないっしょ！』

そう言いながらもまだずっと見ていた

「あとマッサージで終わりですから。
　えっと……オイルどれにします？」

持ってきたオイル4種類のビンを差し出す

『マッサージもあるの？』

二階堂さんは1つずつ開けて
クンクンと香りを嗅いだ

『えー……わっかんねー。
　じゃ、これ。』

悩みながらも選んだのはレモンの香りのするオイルだった

「はい。」

それを手のひらに出して軽く伸ばし、
二階堂さんの手にも広げた

そして二階堂さんの右手を私の両手で持って
リンパを流すように親指でグイッとさすった

『わー、これめっちゃ痛気持ちいいわ。』

「痛くないです？」

『うん。大丈夫。』

「ふふ。
　凝ってますね。
　ここ、痛いでしょ？」

老廃物のグリグリを感じるところを数回グイグイと流してみた

『あー……っ。
　たしかにそこちょっと痛いかも。』

ちょっとだけ顔をしかめたので少し力を緩めた

「リハもやりながら普通のお仕事もされてるから大変ですよね。」

『や、でも俺他のメンバーより仕事少ないから。笑』

褒められるのが苦手なのか二階堂さんは褒めるとすぐにこうやって自虐に走ることに最近少し気が付いた

マッサージが終わると手が少しスッキリしたのか
二階堂さんは自分の手をグーパーしながらジッと見た

『うん。
　めっちゃスッキリしたわ。
　ありがとうね！』