君子蘭

・GINGER・（OL×先輩営業マン） ページ1

「はぁーーーーー……………。」



『A先輩、大丈夫ですか？』




あまりにも深すぎるため息に隣の席に座る後輩の菜々ちゃんが声をかけてくれた



「あ。、ごめん。
　ちょっと……今月生理痛がひどくてさ。」



時々こうなるのには慣れていた



はずなのにその慣れも吹き飛ばす勢いで今月は激しく生理が重かった




『あー……A先輩時々重そうですもんね。
　薬は飲みました？』


「うん。
　飲んでるんだけどね……。
　今日はちょっと定時には上がらせてもらうね。」


『全然どうぞ！
　帰ってゆっくり休んでくださいね？』


「ありがとう。」




定時になるのも待てないくらいで3分くらい前からまだかまだかと時計とにらめっこをして
時間になった瞬間にはもう席から立ち上がっていた




帰宅後


クッションを抱えてソファに座り込んでとりあえず一休みした




ほんとは明日は渉くんとデートの予定だけど……

この体調だと迷惑かけそうだな



ちょっと悲しいけどデートの約束はキャンセルしよう




そう思ってLINEを送った



【渉くん、ほんとに申し訳ないんだけど
　体調があんまり良くなくて……
　明日のデートは延期にしてもらってもいいかな？】



楽しみにしてたデート



ほんとはキャンセルなんてしたくなかった




「はぁ……しょうがないよね。」




渉くんは同じ会社の営業部で1つ年上だった
付き合ってまだ3ヶ月ほど


きっとまだ仕事中




そう思っていたのに
電話が鳴った



画面には【渉くん】の文字




「もしもし？」



『もしもし、Aちゃん？
　体調悪いって大丈夫？！』



ものすごく慌ててる渉くんの声


心配してくれてる？


そう思うとちょっと嬉しくなった


のと同時に心配させてしまっていると申し訳なくなった



「ふふ。
　大丈夫。
　えっと………女の子の日なの……。
　私、時々すごく重たくなるんだよね。
　だから心配ないよ。
　ごめんね。」


心配させないためにも早めに言っておいたほうがいいと思ったから素直に伝えることにした


『あ。そうなんだ……。
　ごはんとかもう食べた？』


「ううん。、
　動きたくなくて……。笑
　もう少し後で食べようかなって。」


『じゃぁ、俺仕事終わったらご飯作りに行ったげるよ！
　だから待ってて？』




！！！！


ものすごい急展開



まさか………





渉くんがご飯を作りにきてくれるなんて………



どうしよう



緊張しちゃう

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