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宮田くんの髪からぽたぽたとレモンサワーの滴がたれていた

ここまでの騒ぎになったので松岡店長がやってきた

『お客様、うちの手違いでご注文と違うものをお出ししてしまったみたいで申し訳ございませんでした。
 ただ、これはさすがにやりすぎです。
 お題は結構ですのでお引き取りください。』

と静かに凄んだ

お酒をかけた本人は
「はぁ?!
 俺は悪くない!」
とゴニョゴニョ言っていたが

残りの2人は流石にこれはダメだと思ったのか
その人を宥めながら引っ張って帰っていった


宮田くんは店長の指示で休憩室へと戻って行った


その場を片付けようとしたが
「そこは他のメンバーでやるから中島さんは宮田にこれ持って行ってやって。」
と暖かいおしぼりを大量に渡された


コンコンコン


「入るよー?」


ガチャッ


「これ、店長が持って行けって……。」

そう言いかけて目に飛び込んできたのは
Tシャツを脱いで上半身裸になった宮田くんだった


「ひゃぁっ………!!」


『わわ!ごめん。』


宮田くんは私の声にびっくりしたのか背中を向けた


「ごめんっ!脱いでると思わなくて。」




背中越しにおしぼりを渡した



『ありがと。』





「あの………私のせいでこんなことになってごめんね。」



『え?
 Aちゃんのせいじゃないでしょ。』


「でも………。」



『大丈夫だから!』



……………




こんな時まで宮田くんは優しい

なんて言っていいのか分からずにいると

『これで水も滴るいい男でしょ♪』

『あ。いや水じゃなくて酒か…笑』

きっと私に気を遣わせないようにしてくれてる
ありがたかった


コンコンコン


『おーい、宮田、中島さん。
 今日はもう上がってくれていいよ。
 賄い、タッパーに詰めたから持って帰って!』

店長がビニール袋に入れたタッパーをそれぞれに渡してくれた

「ありがとうございます。」


『酔っ払いが来るとこだからこう言うことたまにあるんだよ。
 中島さん、これに懲りずにまたバイト来てね!』

そう言って店長はキッチンへと戻って行った


『………帰ろうか?』


私服のTシャツを着て頭をタオルで拭きながら宮田くんはそう言った

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作者名:桃マスカット | 作成日時:2021年9月14日 23時

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