【stpr】組長娘と婚約者候補【な組】Part4

#156 ページ27

眺めていると小さな女の子がピンク色の風船を渡されて嬉しそうに笑ってた。

「あっ！」

だが手を離してしまい風船が飛んでいく。だが。

「よっ！…と」

ころんが勢いよく中の植え込みを器用に使って風船をキャッチした。

「ふぅ…はい、お嬢ちゃん！」

「ありがとう！お兄ちゃん！」

「ありがとうございます」

ころんが微笑み手渡すと幼い女の子と母親らしき女性がお礼を言ってた。

「ふー、間一髪でしたー」

「お疲れかっこよかったよ」

そう言うと「え〜そんなこと…ありますけど〜！」と言う。

「ところで左手に持ってるのは」

なぜか白薔薇の花束を持っていた。

「そこの花屋で買ってきました」

わざわざ？

「白薔薇は純潔や私はあなたに相応しいが花言葉ですよね？」

「他にもあるけどね」

「相思相愛…その花言葉のようにAさんとそうなりたい」

そう言って私に差し出す。

「白薔薇8本の花言葉はあなたを支えます」

それは側に居たい…そう言ってる意味に等しい。

「枯れたとしても生涯を誓うが花言葉なんでしょう？」

覚えていたのね……。真剣なころんの顔に鼓動が速くなり。

そして何故か、泣きそうになった。

こんな感情……知らない……。

私はその白薔薇の花束を受け取る。

このときはまだ気づいてなかった。

私は……この6人のデートを始めたときから。

既に『あの人』の色に染まっていたことを。

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