31.たすからなきゃ ページ32
治「ふ…」
＿＿ドォオオォン！！！！
もう一つ、轟音が響き石つぶてが舞う。
ちさきがこれ好機とばかりに笑った。
そして盛り上がったじめんが出来て何かがこちらへ飛んでくる。それは…＿＿
「エリッ＿＿！！！！」
赤黒い腕からなんとかもがきでてとんでくる小さい体を抱きとめると衝撃で後ろへ倒れる。
…＿＿なんで
「なんできたの…！！」
なんで追ってこれたの？エリには確かに本気で脅したはずなのに。
エ「お"ねぇぢゃん…」ｼﾞｼﾞ
「！」
涙も鼻水も出てるエリはわたしの服を掴んだ。何故かその額にある角が…光り始めてる。
治「っガ…！！？」ｽﾞﾙｯ
ズルリとあの男と融合してたひとが出てきた。
「エリ…！！"個性"が…！」
同じ個性を持ってるわたしとは打ち消し合うからわたしには効かない。
呆然とその様子を見つめてると視界に赤いものがうつる。それを認識すると無意識に手を伸ばし掴んだ。
「あの、マントは…」
"俺が君たちのヒーローになる！！"
緑「Aちゃん！！！」
"君が君自身を切り捨てたとしても…僕は絶対に見捨てない！！！"
なんで？もういいのに…！！
だれにも…しんでほしくない…！！！
エリから家族を奪ったのもわたし、エリを救けるためなら手段を選ばなかったのもわたし、自分なんてどうでもよくなるくらい…おのれを殺しつづけたのもわたし。
＿＿この男についていったあと、"個性"をつかってどうにか実験をつぶして死ぬつもりだった。
このひとが消えない限り"エリが永遠に安心して生きる世界"はこない。
覚悟を決めた。
死ぬ覚悟を。
エリと離れる覚悟を。
ずっと繋いでいた手をはなす覚悟を。
でも、今、わたしの腕にはエリがいる。
緑「ッ！」
緑色の閃光がこっちへ手を伸ばしてる。
あのひとは…わたしを死んでも諦めない。
＿＿たすからなきゃ。
足腰に力をいれる。
守らないと、エリを守らないと。
恐怖心をころし、そこから飛び降りた。
エ「っ…」
髪が揺れる、もうすぐお兄さんにこのマントが届く。
＿＿なんで、みんな…わたしを諦めないんだろう。
「…っ」
なぜか涙がでてきて、自分のイノチなんてとっくにすてたはずなのに。
その手はたしかに"救け"を求めてて、手を伸ばしてた。
その手はたしかに"いっしょにいたい"といっていて、エリをつよくだきしてめた。
おかしいな
緑「もう、離さないよ。」
暖かくて涙が溢れた
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
