20.決断と覚悟 ページ21
「エリ〜このおもちゃ使う？」
エ「ううん…いらない。」
「だよね。」
複数のおもちゃが部屋に届いた。
けど全然趣味じゃないし、おもしろそうじゃない。……きっと新しい世話役がきたんだ。
「エリちゃん、Aちゃん＿＿」ｶﾞﾁｬ
聞き覚えのない声といっしょに部屋の扉が開いた。
全く記憶にないしその人に警戒するわたしと背にかくれるエリ。
「だいじょうぶ！大丈夫！一応いるかどうかの確認ね。おもちゃ全然触らないのねー、せっかく買ってあげたのに。」
…たのんでない。
男の人はこちらへ歩いてくると背中から顔を出すエリの頭へ手を伸ばした。
「コワくないよー…＿＿」
ﾊﾟﾁﾝ!
その手を叩き払う。
「わたしの妹に触らないで。」
睨みあげると、黙ってそのまま出ていった。
エ「いつものひとじゃないね。」
「そうだねぇ、なんかよくわかんないおもちゃ買ってくるし。」
エ「前のひと、どこ行ったんだろう。」
……＿＿＿
「きっと、クビになったんだよ。子ども二人逃がしちゃうような人だったし！」
ニコリと笑っていった。
エ「そっかあ…」
＿＿本当は目の前で殺されてしまったけれど。
そんな光景エリには見せない、今までもこれからも。…知らなくていいことだから。
「なんだか最近さわがしいね、廊下あるく人も多くなったような気がする。」
どうしたんだろう？と、気にしてると柔く服をひっぱられた。
「？、どうしたの？」
エ「…」
目を伏せてくらい顔をしてるエリ。
しかたないなあ、とその体を持ち上げて膝の上に横向きでのせてあげる。
「エリ〜？」
エ「…あのね、」
「ん？」
できるだけ優しい声で聞く。
エ「おねえちゃんは…どこにも行かないよね？」
ピクリと指が反応する。
わたしと同じ赤い瞳は不安そうに見上げてた。
＿＿
＿＿＿
『えへへ、おねえちゃん〜！』
わたしの大切な家族で大切な妹。
いつもそばにいてくれた…わたしの光だよ。
「うん。そばにいるよ、エリ。」
そうやって平然と＿＿"嘘"をついた。
エ「ほんと？」
「うん！」
なのに安心したように抱きついてくる、わたしも同じようにした。
＿＿あなたを守るためならどんなことも厭わないよ。
エ「へへ…おねえちゃん大好き。」
知れば傷つく知れば悲しむ。
だけど、やらなきゃ。
「わたしも大好き！」
＿＿わたしは…あなたを傷つけてでもあなたを救う。
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
