38.惨憺たる結末 ページ39
『A、これからあなたはお姉ちゃんになるんだよ。』
笑顔とあったかい声。
そのおなかは膨らんでて、すぐにその言葉が理解できた。
『やったあ！！わたしがおねえちゃん！？』
ぴょんぴょん跳ねてすごく喜んだのをおぼえてる。
伝えられた日から、いつあえるのー？とか弟か妹かどっちかなぁ？とか、どんどんおおきくなってくお腹に手を当てて。
こんなにわくわくしたことはなかった。
『もうこんなに大きくなったね！』
『ふふ、赤ちゃんが一生懸命育とうとしてる証拠だよ？』
『ねぇ〜いつまでおかあさんのお腹にいるのー？おねえちゃんも早く会いたいよぉ。』
隣に座っておなかの中にいる家族にちょっとだけ文句をもらした。
そんなわたしをみてくすくす笑う声。
『A、』
『なあに？おかーさん！』
おおきい手がほうを撫でるみたいに触れる。
『＿＿守ってあげてね。』
約束をした。
"まもる"
エリを…守る。
治「精神に重大な疾患を抱えてる。」
「っは…！」
きき覚えのある声に目を開けると…そこはどこかわからない、瓦礫の山。
そして目の前には、
「そ…そんな…あなたはもう、お兄さんに」
倒されたはず。
特徴的なマスク、白い手袋をしたあの男。
まっすぐわたしを見下ろしてる。
治「俺よりも妹の心配をしたらどうだ？」
わたしの目の前を指さす。
顔を下に向けるといつの間にかそこに倒れてる、エリ。
「エリ！！」
すぐに上体を抱き起こした。…よかった…、いきてる…
治「悲惨なものだな。」
「…」
目の前の男をにらむ。何をいってるのかわからない、それに…ゆめだ、きっと、これはゆめだ。
治「人間性を失った機械のような奴がこの先自分のエゴのために生き続けたらどうなると思う？」
「え…？」
＿＿周囲が変わる。
瓦礫が落ちてた風景に＿＿たくさんの血塗れの人たちが横たわってる。
赤、赤、赤＿
吐き気がするほどの、のどがヒュッとなるぐらいの。
治「"壊理を守る"…それは、こういうことだ。」
「ち、ちがう…！わたしは、こんなこと！」
おもわず顔を後ろへむけてさけぶ。
治「なにも違わない、力が強大であれば価値も上がり狙われやすい。俺のように"利用したい"と企む奴は増える。…この光景は」
淡々と、当然みたいにはなす。
治「おまえ自身が招き望んだ"結末"だ。」
わたしの、結末。
「これが…この、光景が…？」
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たんと(プロフ) - 前読んであの感想をもう一度！と思ったらやっぱり泣いてしまいました…素敵な物語をありがとうございます！ (2月12日 14時) (
レス) id: f0ade18a0c (このIDを非表示/違反報告)
赤い羽根募金ちゃま〜 - 11歳？...やべぇ、同い年だ...((((( (2022年12月1日 23時) (レス) @page24 id: 78bf642dad (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！読んでいただいて、嬉しいかぎりです！ (2022年7月22日 0時) (レス) id: 16ca5ec74a (このIDを非表示/違反報告)
葵 - なんかもう…小説家になれるんじゃないですか？それくらい感動しました！ (2021年10月20日 7時) (レス) @page50 id: 6b19049b00 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - みづきさん» 泣いてくださったなんて、とても嬉しいです(*^^*)、コメントありがとうございました！ (2020年5月2日 23時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2020年1月7日 12時
