163.何度でも ページ18
でも、何度も言うが…おまえがそんな風に自分を憎み責める必要なんかどこにもねぇんだ。
__"あんな風になってしまったら"、か。
焦「そんな事は絶対起きねぇよ。だから…怖がるなとは言わねぇ、不安になったら躊躇わずに言え。何度でも俺が否定してやる。」
何度でも
焦「"大丈夫だ"って、言ってやる。」
何度でも。
そう真剣に告げると蛍は眉をハの字にしてこっちを見上げた。それに少し笑って話を続ける。
焦「強がりで頑固で少し不器用で、優しいやつだって。それだけは知ってるから。」
長い間ほったらかしといて兄貴面か、って思うかもな……ごめんな。
でも心からの本心だ。
『二人一緒なら…兄さんが側にいてくれるなら、どんな問題にだって立ち向かえる気がするんだ、私は。』
おまえが俺に言ってくれたように。
焦「蛍、俺と一緒に手伝ってほしい。おまえが側にいてくれるなら俺は…立ち向かう力が湧いてくるんだ。」
__
___
〜蛍side〜
『大丈夫』
そう言って、兄さんは私を抱きしめてくれた。
暖かい。
病院でしてくれたみたいに、酷く安心した。
蛍「っうぅ…、う"ん…」
軽く背中に手を回す。
少し安心したせいか情けなく小さく泣いた。こんなに泣き虫だったっけ私は?
焦「…」
頭を撫でる手つきはやさしい。
でもきっと許してくれる。
私が泣き言を言っても、弱みを見せても
きっと兄さんは許してくれる。
__
___
〜緑谷side〜
上「あいつら何で抱き合ってんだ?」
峰「双子禁断の恋…!!」
蛙「最低ね峰田ちゃん。」ケロ
数人が窓からこっそり二人の様子をみていた。…轟くん、轟さん。
いつか彼女は僕に言った。
『そんな無意味なものは私のように早々に切り捨てるべきだよ、緑谷。』
本当はそんなことしたくなかったんじゃないのか、その言葉を飲み込みガチ勝負になりつつあった授業もあった。きっとまだ本人たちにもいろいろあるんだろうな。
だけどきっと今の二人なら、あの二人が一緒なら__
麗「デクくん?」
緑「ゥア!?は、ハイ!?」
麗「あ、いやごめん!へへ、何かすごい安心したような顔してボーッとしとるから…。」
…うん。僕みたいな外野がどうこう言える立場じゃないのはわかってるし、無責任かもしれないけど…
緑「うん…ちょっと、安心したんだ。」
窓の向こうで少しぎこちなく笑い合う二人を遠目で見て、そう言った。
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pino(プロフ) - うさぎさん» 好評とても嬉しいです!コメントありがとうございました! (2020年5月24日 16時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ - とても面白いです。話の展開がとても好きです。応援しています。 (2020年5月8日 3時) (レス) id: 1ab5dd9ceb (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - セイラさん» 好みに合っていてよかったです!(*^^*)コメント&応援ありがとうございました! (2020年5月7日 11時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
セイラ(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです!!話の展開がとても好みでした。大変だとは思いますがこれからも頑張ってください!応援しています!! (2020年4月26日 4時) (レス) id: 5ca5505410 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - イマツギさん» 応援ありがとうございます!一応同時進行で書いているんですがどうしても更新が偏ってしまいますね…、早く更新できるよう頑張ります…! (2020年1月23日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pino | 作成日時:2019年11月2日 17時