117.見え透いた嘘 ページ21
合宿三日目、相変わらず森のどこかしこから叫び声やら何やら聞こえてくる。
蛍「…」ﾊﾟｷﾊﾟｷ
焦「くっ…！」foosh
今日の訓練は今までより少し違う。
蛍「…もっと温度を上げなくちゃ。灼熱にはならないよ。」ﾊﾟｷﾊﾟｷ
焦「わかってる…！」
相澤先生から指示されたのは互いに反対の"個性"を出して"相殺"しろ、とのこと。
相『まあものは試しってやつだ。…最大とまでは言わねぇが、おまえらお互いでやった方が手応えはあんだろ。』
兄さんも私も強い、その分"個性"も。
焦「っは…ハァ…、蛍、交代だ。」
だからって何で一緒に…、でも確かに絶え間ない氷結と炎熱の切り替えで耐性やらはつく。大人しく従おう。
蛍「…」foosh!!
焦「…」ﾊﾟｷﾊﾟｷ
兄さんは左より右の方が扱いが良いけど今まで使ってこなかった代償はある。
焦「蛍、」
目の前の大きな氷と大きな炎は互いに打ち消しあっている、隣の兄さんは私に声をかけた。
焦「お母さんの病院に必要なやつ持っていけって姉さんに言われてんだ、ちょっと付き合ってくれねぇか。」
蛍「…兄さんが行けばいいでしょ？」
何でこんな時に会話してるんだろう。
焦「姉さんが出張でその日は行けねぇ。」
＿＿foosh!!
一気に蒼い炎に変えて兄さんの氷を全て吹き飛ばした。
それに驚いたのか、顔をこっちに向ける。
蛍「＿＿見え透いた嘘はやめて兄さん。」
いつもの無表情でじっと見てくる。
蛍「姉さんの出張する日は知ってる。いつも事前に必ず言うからね、姉さんは。」
"個性"を収めた私は左手を見ると赤くなってしまっていた。
蛍「…」
焦「…」
兄さんは黙ってこっちに来て私の手をとった。
焦「…悪ィ。」ﾊﾟｷﾊﾟｷ
居心地悪そうに呟いて左手を冷やす。
焦「でもおまえも、一緒に来てほしい。」
蛍「それを決めるのは私。」
手を引っ込めて背中を向けると強めに肩を掴まれる。
焦「過去のしがらみなんて切っちまえ。おまえは何も悪くねぇのに何でいつも辛そうにしてる！」
珍しくいつもより積極的でそんな兄にいらつくのは簡単だった。
蛍「そう見えるならそれは兄さんの"罪悪感"からきてるんじゃないの？」
焦「！！」
柔く手を退かす。
＿＿ｶﾞｼｯ
蛍「！！」
焦「違う！そんなんじゃねぇ！！」
険悪な空気に対して真っ昼間の陽光が頭上からさんさんと照りつけている。
焦「俺は救けたいだけだ！！」
そんな声が周囲へ響き渡った。
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pino(プロフ) - 紗菜見さん» 本当ですか！？感動してもらえてすごく嬉しいです…！！コメントありがとうございました！ (2019年8月18日 18時) (
レス) id: 959de6d87f (このIDを非表示/違反報告)
紗菜見 - この小説めっちゃ感動できる！！！(TДT)更新頑張ってください！ (2019年8月18日 15時) (レス) id: 60662f9996 (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - イマツギさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！(TT)全力で頑張ります！！ (2019年8月18日 8時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
イマツギ(プロフ) - 早く続きが見たいですね!!更新頑張ってくださいm(_ _)m (2019年8月18日 2時) (レス) id: 55b7647faa (このIDを非表示/違反報告)
pino(プロフ) - こころさん» コメントありがとうございます！更新がんばりますね…！(^-^) (2019年8月1日 19時) (レス) id: 7816ba7c93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pino | 作成日時：2019年5月15日 15時
