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あまりの可愛さに目も合わせることが出来ない俺は顔を両手でおおって「…何でもないです…」と小さな声で言う他なかった。
「あの、なんで、俺…」
少し怯えた様に快斗くんに聞くと、快斗くんはああ!と言って俺がここまで来る経緯を話してくれた。
「仕事終わって家に帰ろうとしたら路地裏から真っ黒な服の男2人が出てきてさ、少し気になって覗いたらお前が倒れてたって訳。そんで家まで走って運んだの」
服が真っ赤だったから怪我してるのかなって思ったんだ、と後から付け加えて言う快斗くん。
仕事終わりとか言っちゃっていいのか?
「お兄さんお仕事してるの?」
「エッ?!あ、うん!バイトっていうんだけどね、高校生でもお仕事出来るんだよ〜」
「へー!そうなんだ!」
そんなわかり易くていいのか怪盗キッド
その後は沈黙。
お互い知ってるわけだし不用意に話してボロを出したくないって所だろうな。
ならこっちから仕掛けてやる!
「ねぇ、お兄さんさぁ」
「…ん?どうした?」
俺は今まで俯いていた顔を上げて快斗くんと目を合わせる。
快斗くんは俺と話しやすいように屈んでくれた。
「俺の服は真っ赤なのに、俺はどこも怪我してなくて変だと思わなかった?」
「えっ?」
「だって、着替えさせてくれたんだから俺の体も見たよね?包帯も沢山巻いてあったのに今は巻いてないもん。お兄さん俺の体見たんでしょ。変だと思ったよね?」
「ええっと、」
なんか今コナンくんになってる気持ちだわ。犯人を言葉で追い詰めてる時のコナンくん。
ちょっと楽しいぞこれ!
「なんでお兄さんは何も言わないの?」
「……」
ついに快斗くんが下を向いて黙ってしまった。
よし、とどめだ!
「それに俺、お兄さんのこと見たことあるなぁ」
「っ!」
今まで下を向いていた快斗くんがバッと顔を上げて俺を見た。
快斗くんは冷や汗を流して苦笑いを浮かべながら言った。
「…もしかして、気付いてる?」
別に嘘をつく必要はないと判断したので俺はにっこりと笑って頷いた。
「あんな至近距離で顔を見た上に声を聞いたのに気付かないと思った?キッド様っ!」
「だよな〜」
快斗くんはもう隠す気もないらしい。俺に素直に打ち明けた。
信用されてるってことかな?
ちょっと嬉しいかも
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きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 勝手に出しゃばった上に長文失礼しました。 (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
きゃんさん(プロフ) - 天狐さん» 不死身と不老不死は似て非なるものですよ。不死身は死にませんが老います。不老不死は老いませんが事故や病気、殺人など故意的に死ぬ事が出来ます。まぁうろ覚えなので合っているのか分かりませんケドね(*^^*) (2018年11月2日 22時) (レス) id: aa8d471e53 (このIDを非表示/違反報告)
天狐(プロフ) - あのprologueの『不死身の不老不死』って同じこと2回繰り返してますよ。 (2018年4月29日 20時) (レス) id: 40f1b1f832 (このIDを非表示/違反報告)
死の天使 - 何か……夢主クン某異能アニメの自殺マニアさん見たい……カッコいい……! (2018年3月8日 17時) (レス) id: 691cfdecc8 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ(プロフ) - こずめさん» えぇ、もうそれ最高じゃないですか、、ッアーーーーーーってところもろ夢主と同じ反応でしたありがとうございます (2017年7月13日 12時) (レス) id: 6fbc6fe145 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こずめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shinkuru101/
作成日時:2017年3月7日 16時